かからはや わさ

ドイツが好きな神戸っ子。院生時代はドイツの介護施設にて介護士について研究をしていまし…

かからはや わさ

ドイツが好きな神戸っ子。院生時代はドイツの介護施設にて介護士について研究をしていました。現在は組織人事コンサルタントとして働いています。鯖とチョコレートが好物です。映画が心の支えです。人と人がお互いの気持ちや心を支え合うことに興味があります。

最近の記事

「好き」でいること

友人が悩んでいた。彼女と上手くいかないようだ。 「相手が、自分にとっても俺にとっても、一緒にいないほうがいいんじゃないかって、考えているみたいなんだ。」 少し掠れた声が、耳につけたイヤホンの奥から聞こえてきて、しばらくの間、じっと耳を傾けながら返事ができないでいた。自分も昔、同じようなことがあったから。だから、何て声をかけたらいいか、言葉を選ぶことが咄嗟にできなかった。 私は、手元にあったダージリンのミルクティーをすすった。お湯を入れたばかりの紅茶は、ゴクゴク飲むにはま

    • きらきらしている人を見て

      きらきらしている人きらきらしている人を見ると、素敵だなぁと思う。 アイドルとか、女優とか、そういった類の、舞台で華やかに活躍している人たち。まっすぐに前に進んでいる、イケイケの起業家や若くして成功したクリエーター。身近な人たちできらきらして輝いている人も、私の周りにはたくさんいるのだけれど、今日はなんとなくこういう人たちに対して思っていることを書きたくなったので書いてみる。 実をいうと、本気で、前者のような華やかな世界に憧れていた時期があった。まだ自尊心が高く、自分はなん

      • 異国で24回目の8月31日を迎えて

        そうか、もう一年の2/3が終わったのか。携帯のカレンダーを眺め、ふと気づいた。 風が秋の香りを運んでくる。目に飛び込む景色は、少しだけ秋らしい色を帯び始めている。少し肌寒い15℃前後の気温の中で、深く息をする。ドイツでの滞在が今日で一ヶ月を迎える。 すっかり心も体も頭もドイツモードで、のんびりゆったりしていた私は、noteの募集を見て、少し昔のことを思い出した。死にたくて、消えたくてどうしようもなかった、14歳の夏の終わりのことを。 苦しかった。夏の暑い日に見た、入道雲

        • 今やっていること(の一部)

          私はこのドイツの街に、調査目的で来ている。現在は、週二回高齢者施設で介護士さんのお手伝いをしており、その中で得たものを「参与観察」としてノートに綴っている。 また、別の施設にて、介護士さんや介助士さんに対して、インタビューを行っている。インタビュー、というと少し大げさに聞こえるが、彼らの仕事や高齢者への対応を中心に30分ほどお話を聞く、というのがその内容だ。 今日は、後者について少し述べたい。 上記で述べた「介助士」は"Alltahsbegleiter/-in"を指す。

        「好き」でいること

          チャイラテを飲みながら

          「ねえ、今ハイデルベルクにいるんだけどさ、」 無理を承知で、メッセージを送った。 約2年半前にドイツ留学時に出会った、同い年の女の子。物理を専攻するものの「あまりの面白くなさに辟易しちゃって」とフランス語に道を見出してほぼほぼネイティヴレベルまで語学力を磨き、一年間フランスに交換留学した挙句、授業がつまらないからと現地でのバイトに精を出して貯金をたんまり貯めるような、アウトゴーイングでマイペースな子。 そのお金を使って、卒業後は世界のあちこち、特にアジア地域を約半年かけ

          チャイラテを飲みながら

          はじめまして、夏

          とりあえず、なにかを書きたくなった。 それは、たぶん、一瞬の気の迷いなんだろうと思う。 花瓶に生けてあるひまわりを見て、白い雲がのっぺりと薄い水色の空に浮かんでいるのを見て、日頃の暑さでからっからに乾きかけている黄色に近い葉っぱが風に揺れるのを見て、こころに浮かんだことを、言語化してみたい。急にそんな考えが浮かんで、いつの間にか登録していた。 ドイツ・ハイデルベルクの街並み 今日から約一ヶ月の間、私はこの街で過ごす。自分の大切なものをゆっくりと気づかせてくれた、不思議

          はじめまして、夏