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映画「スープとイデオロギー」

在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督が母親(オモニ)を撮り続けたドキュメンタリー。

初めはその家庭が北朝鮮の指導者を信奉していて、子供も朝鮮学校へ通わせていたことがわかる。
ヤン監督の兄は北朝鮮に移り住み、オモニはずっと送金もしている。

しかし、話が進むにつれて、オモニは韓国にルーツがある人だとわかる。
生まれは大阪だが、日本が戦火に包まれた時、元々ルーツがある韓国の済州(チェジュ)島に疎開してそのまま住んでいたのだが、また日本に逃げて来ることになる。

それが歴史ではあまり語られてこなかった「済州四・三事件」という事件。
1948年に済州島で起きた事件だ。

では、なぜ韓国にルーツがあるのに、北朝鮮を支持する家庭を築いたのか、というところがポイント。

そして、題名にあるスープは、そのオモニの得意料理。
丸々1羽の鶏の腹にニンニクをたっぷり詰めて煮込んだ料理。
スープも鶏も食べることができる。

このスープが、新しい家族の形を作るのにも一役買う。

決してエンターテイメントではないけれども、いい映画を見た

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