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曖昧母音[ə](schwa)の発音ができているか確認する方法

インターネットに接続しているスマートフォンかパソコンを使います。
アプリ「Google 翻訳」を起動します。

中国語(簡体)から日本語への翻訳に設定。
下記の要領で発音します。

「あっ、ビックリした」と言うときのイントネーションで、「あ」を[ə]に置き換えて「[ə]っ、ビックリした」と言ってみます。
このイントネーションで[ə]のみを発音練習します。
マイクのアイコンをタップ(クイック)。
このイントネーション付きの[ə]をスマートフォンかパソコンのマイクに向かって発音します。

画面に「饿/È」、「呃/È」などEを含む文字が表示されれば、[ə]の発音ができています。
ピンインと呼ばれる中国語の発音表記方法では[ə]の音はEまたはeで表されます。

ベトナム語を使っての確認方法
「Google 翻訳」をベトナム語から日本語への翻訳に設定。
「あーあ、失敗しちゃった」と言うときのイントネーションで、「あ」を[ə]に置き換えて「[ə]ー[ə]、失敗しちゃった」と言ってみます。
このイントネーションで「[ə]ー[ə]」のみを発音練習します。このイントネーション付きの「[ə]ー[ə]」をスマートフォンかパソコンのマイクに向かって発音します。
画面に「Ở」の文字が表示されれば、[ə]の発音ができています。

タイ語を使っての確認方法
「Google 翻訳」をタイ語から日本語への翻訳に設定。
[dəən]とマイクに向かって発音します。ここでは[əə]は[ə]の長母音を示しています。
「เดิน /歩く」と表示されれば、[ə]の発音ができています。

日本の英語学習者に曖昧母音と呼ばれ、雑に扱われている母音 [ə]ですが、いくつかの言語では文字を伴う正規の母音です。
さらに、英会話では、強勢(ストレス/アクセント)の置かれる音節の母音以外、ほとんどの母音は[ə]で発音される傾向がありますので、[ə]は発音頻度最多の最重要音素です。

(以下、2021年12月18日追記)

中国語のピンインの「E」(または「e」)には [ɤ] の発音記号が当てられることがあります。
しかし、複数の中国語ネイティブスピーカーの発音を調査した分布では、
ピンインの「E」の分布は [ə] の発音領域と大部分重なっています。

ベトナム語の「ơ」の文字にも、発音記号 [ɤ] がふられていることがありますが、上記ピンインの「E」と同様の結果になっています。

思うに、音声学上、[ə]を「弱い母音」と説明している以上、
弱くない音に[ə]を当てることが憚られ、
[ɤ] を適用しているのではないかと推測します。

また、「[ə]を強く発音した音」と説明されることが多い [ʌ] について、その表記を止めて、[ɐ]([ə]の亜種)に置き換えようとする動きもあるようです。

如何せん、学者や専門家をしても、発音の記号化は難しいようです。


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