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望遠レンズ搭載のスマホを選ぶべき理由[魅力と活用例]

メーカーが作り出す「買い換える口実」

本題に入る前に、なぜ近年のスマホがやたらカメラに注力しているのか、そもそもなぜスマホに望遠レンズが搭載されることになったのかを解説しておきたい。

理由はめっちゃシンプル、他の部分の進化が頭打ちなんだ。
確かに処理能力に関しては、antutu50万点を超えれば差を体感することは難しい。その上おサイフ、防水、有機EL等々、すでに付加価値はもりもり。
あと進化の余地があるとすれば、せいぜいリフレッシュレート上げるとか、充電速度上げるとかで、使用感を劇的に変化させるものは残されていない。

iPhoneXsが発表された4年前から、もはやスマホは進化していないと言える。買い替えても、できることは大して変わらないのだ。
私は正直、夜中にこっそりiPhone14の中身が Xsにすり替えられても気付けないと思う。

A12 Bionic搭載


今の端末に納得し、買い替え需要が収まれば、市場が縮小するのは必然。困るのはメーカーだ。
儲からなくなってしまう。

何か変化を持たせて、「買い替える口実」を作らなければならない。
そこで白羽の矢がたったのが、明確な上位互換が存在するカメラ市場ってわけだ。

上位互換


それに伴い、望遠レンズを搭載する機種が増えた。
「遠くのものが撮れる」ってのは、付加価値としてわかりやすい。
30倍望遠だとか、35mm換算で1000mmだとか、でかい数字で印象的に宣伝しやすいってのも好都合だ。

Galaxy S22 Ultraのホームページから
なんとも魅力的な数字だ

「新機種では望遠レンズが搭載された。だから買い替えようと思う。」
メーカーは口実作りの天才だ。

望遠レンズは無用の長物?

ただ望遠レンズ、残念ながら人気があるとは言えない。このことは、

  • iPhone Xs→iPhone11で、望遠レンズがリストラ

  • 現在、二眼スマホのほとんどが二つ目に超広角レンズを採用

以上の二点から明らかだ。
加えて、口コミでは「使い道ない」とか「必要ない」という意見が散見されている。
つまり、多くのユーザーは望遠レンズを必要としてない。

では望遠レンズは、値段を釣り上げる口実でしかないのだろうか?
我々は、必要のないものに金を払わされているのだろうか?

いや、それは違う。
望遠レンズは立派な付加価値だ。
金を積む理由に十分であると、私は考える。

その根拠を、次から示していく。

望遠レンズは楽しい

前置きが大変長くなったが、ここからは望遠レンズの魅力を解説していく。
使用機種はPixel7Pro。5倍望遠のレンズと30倍ものデジタルズームを備える、2022年を代表する望遠カメラスマホだ。

魅力1:遠くのものが大きく撮れる

望遠だから当然だろ、と思われるだろうが、今のスマホは信じられないくらい大きく撮れるのだ。

何を撮ってるかわからない写真が…
一歩も動かずにここまで寄れる
にしてもカメラ目線である

これはもうわかりやすく望遠レンズが役立つシーンだろう。
解像感が如実に落ちているが、これはデジタルズームを併用しているため。つまりは無理やり引き伸ばしているわけだ。
でも、一枚目みたいな「ウォーリーを探せ!」状態よりはずっといいし、個人的には印刷しないならこれで充分だと思う。

この素晴らしい望遠は、室内などの過酷な条件でも普通に使えてしまう。

今大人気のコアラの赤ちゃん
ふさふさ感が伝わる良い一枚だ

このコアラ館は、室内かつ薄暗い。
しかもコアラって結構動く。
普通に木の間とかジャンプする。
ユーカリしか食べないくせに。

低照度での動体撮影という、カメラにとっては天敵とも言える環境だが、ご覧の通り。これ手持ち撮影なんだけど、奇跡みたいにブレない。

あと写真では伝わらないと思うけど、実はこれ10倍くらいまでズームしている。コアラって意外と遠いんだ。この写真も、望遠レンズあってこそ。

魅力2:圧縮効果が楽しい

「圧縮効果」ってのは、遠近感が失われ、まるで被写体と背景の距離が圧縮されたように写るっていう望遠レンズの特徴だ。

ちょっとこなれた感じの風景写真や、
こんなユニークな写真も撮れる。

使うタイミングはやや難しいが、表現の幅がグッと広がるし、上手く撮れたときはスマホカメラとは思えない仕上がりになるから、是非とも挑戦してみてほしい。

魅力3:思い通りの写真に近づく

綺麗な風景を見つけたけど、なんか上手く撮れない…って経験はないだろうか?
例えば「視界がひらけた!塔が綺麗に見える!」ってなっても、

なんか散漫な写真だ

他のものが映り込んじゃうし、なんか目で見たより遠く感じる…みたいなシチュエーションだ。

これは、大半のスマホカメラの画角が広角であることに起因している。
人間の目の画角(標準画角)とギャップがあり、目で見たより広く写ってしまうのだ。雄大な自然とか撮る分には良いんだけど、上の写真みたいに、見たままを写したい場面では困る。

そんな時に望遠レンズだ

随分とスッキリした

このように、印象を大きく変えることができる。
望遠レンズを使うと、広角とは反対に画角が狭くなるのだ。
したがって、写したいものだけを切り抜けるってのが大きなメリットになる。

編集でも実現可能だが、どうしても画質は落ちてしまう。そのリスクを負わずにここまで画角を変えれるのは、望遠レンズを搭載してるからこそだ。

特におすすめしたいのが、2倍ズーム。
これは多くの機種で50mm相当のズームとなるので、人間の目の画角にかなり近づく。つまり、見たままを切り取れるのだ。したがって使いやすく、役にたつ場面が多い。
困ったらとりあえず2xボタンを押してみると良いだろう。

まとめ

いかがだっただろうか。
このように望遠レンズは非常に魅力的で、かつ実用的だ。

確かに、これは必須ではない。重くなるし、価格も上がる。安くて、より高倍率のコンデジだって多数存在する。

60倍ズームで4万5千円
Pixel6aとこれを買ってもPixel7Proより安い

ただ、常にカメラを持ち歩くのは多くの人にとって現実的な選択肢ではない。コンビニの帰り道で出会った猫とか、ふと立ち寄った公園で見た月とか。カメラを持っていないときのシャッターチャンスが、広角レンズだけでは満足に切り取れないシチュエーションが、必ず存在する。

もしスマホが望遠レンズを搭載していれば、そのチャンスを活かせる場面が圧倒的に増えるのだ。思い通りに切り取れる可能性を、格段に上げてくれる。
これは、もはや必携の端末となったスマホだからこそ生み出せる価値だ。

以上の理由から、私は望遠レンズ付きのスマホをおすすめする。

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