【カターレ富山】初出場のディフェンダーが流れを変えて大逆転 アウェイ AC長野パルセイロ 戦 2024 J3リーグ第17節(2024/6/22(土))
前節の大宮戦は試合を支配していながら大宮相手に引き分けに。
この調子が本物かどうか価値が問われる一線になる。
1 スタメン
スタメンは1週間前の大宮戦と比較すると、3人を変更。
安光は出場停止明け、末木と川上がスタメンに。
フォーメーションは4−2−3−1。並びはゴールキーパーが田川。ディフェンスラインは4バック右から西矢、脇本、川上、安光。ボランチは河井と末木、2列目は右に松岡、中に髙橋馨希、左に吉平、1トップにマテウス。サブは、GK齋藤、DF鍋田、MF坪川、布施谷、伊藤、FW碓井、松本。
長野は、スタメンを2人入替え。
2 優勢も最初のチャンスを決められる
5分、富山のMF末木と長野のMF近藤が接触。近藤の手が末木の首に入って、近藤にイエローカード。
ここで得たフリーキックはMF末木の蹴ったボールにDF脇本がバックヘッドに流すが長野のGKキムミノがキャッチ。
その後も同じような位置で富山がフリーキックを得たが、シュートに至らず。
序盤は富山が優勢に試合を進めていた。
13分、富山のFWマテウスがゴール前中央の位置からロングシュートを狙う。
15分、長野はMF安藤が右サイドを突破しクロスを入れると、逆サイドのMF小西がシュート。これは富山のGK田川がキャッチ。
16分、富山のMF松岡が右サイド深くへ切り込むもゴールキックに。
17分、長野のMF山中がゴール正面から狙うが富山のディフェンスがブロック。
富山が引き続き、ボールを支配するもなかなか前線に運べない。
23分、富山のDF川上からトップ下のMF髙橋馨希に縦パスが通り、そこからコーナーキックを獲得。
26分、長野は右サイドでフリーキックを獲得。MF安藤が蹴ったボールは、ファーサイドに走り込んだDF池ヶ谷がぎりぎり足で残し、その折り返しをDF杉井が頭で押し込んで、長野が先制。
富山としたら、ずっとゲームを支配していただけにもったいない失点だった。
そこから長野の動きが良くなり、29分にはMF近藤の右サイドからのロングシュートが枠に飛び、富山のGK田川がかろうじて弾き出し、コーナーキックに。
そこからコーナーキックが2本続き、2本目では長野のMF小西が右サイドから狙うがゴール左にわずかに外れる。
32分、富山はDF脇本の縦パスを受けたMF吉平がミドルシュートを狙うが、ゴール上へ。
30分過ぎから再び富山がボールを持てる展開へ。
だが、相手にボールを持たせるのが長野のやり方のようで穴はなかなか見つからない。
35分、DF安光の左からのクロスに髙橋馨希が頭で合わせるが相手GKがキャッチ。
さらにそのゴールキックから富山が高い位置でボールを奪い、コーナーキックを獲得。
コーナーキックが2本続き、2本目ではMF河井がゴール左側からミドルシュートを狙うが上に外れる。
結局、前半は富山が優勢であったが、セットプレーで長野が先制し、1点リードされて、後半を迎えることになった。
3 開始直後に失点したうえ、センターバックにまた故障者が
後半開始にあたり、富山はFWマテウスに代わりFW碓井を入れてきた。
そして、後半のキックオフからの流れでさらに試合が動く。
46分、長野はキックオフ直後のボールをディフェンスラインから左サイドにつなぎ、MF山中が左サイドで富山のMF河井を振り切り、DF脇本もかわして右足でシュート。これはDF川上の足に当たってややコースが変わり、これにGK田川も反応できずに、ゴールを許してしまった。
これで長野が2−0とリード。
MF山中は去年のハットトリックに続いて、この試合もゴールをあげた。
富山としてはいきなり苦しくなった。
さらに長野は48分、MF安藤が左サイドからミドルシュートし、枠をとらえるが、これは富山のGK田川がキャッチ。
さらに、49分、富山のDF脇本が長野のFW浮田を倒して長野の左サイドでフリーキックを与える。脇本にはイエローカード。
このフリーキックは富山がクリアするもののGK田川とDF川上が接触して、川上は声をあげて痛がるほどの状態。
それにしても、今瀬、下堂とセンターバックに故障者が相次ぐ中で、さらに苦しい状態になった。
結局、川上は続けることができず、DF鍋田と交代。
鍋田はこれがリーグ戦今季初出場になる。
4 あきらめずに大逆転
続くコーナーキックの流れから、54分、長野は左サイドでフリーキックを得る。
依然として長野が攻め続ける。
ここは何とかしのいで、富山が攻める。
右サイドMF松岡のクロスを前線でMF吉平がつぶれながらポストプレーで残し、これをFW碓井がシュート。
これは相手GKがファインセーブで防ぐがそのこぼれ球をDF安光が左からクロス。
これにMF髙橋馨希が頭で決めて、早いうちに1点差に迫った。
これでさらに富山が攻勢に出るが、なかなかシュートまで行けないところ、60分、長野のMF近藤が右サイドの角度がないところから狙い、わずかに外れる。
富山は61分、右サイドDF西矢のクロスにMF髙橋馨希が頭で合わせるがボールが長くうまく合わず。
65分、長野がコーナーキックを獲得するが、ここはしのぐ。
そして68分から69分になるところ、長野がボールをカットし、前線へつなぐとFW浮田がDF脇本の裏に抜け出して田川と1対1の状態に。
リーグ得点王の浮田に絶好のチャンスを与えてしまい、絶体絶命。
しかし、後ろから猛スピードで走ってきたDF鍋田がスライディングで浮田のシュートをブロックし、防いだ。
このシュートブロックは大きかった。
防いだ後の鍋田の渾身の叫びはチームに希望をもたらす。
この直後の69分、富山はMF松岡に代わりMF布施谷。
さらに71分、長野はMF近藤に代わりMF忽那、MF安藤に代わりDF黒石。
そして、この選手交代の直後、左サイドスローインの流れから中で待っていたMF末木が一度右に開き、DF西矢からのクロスを再び末木が狙ってこれがゴールに決まる。
これで2−2と同点に追いついた。
2点差となって追い込まれた状況からよく盛り返した。
75分、富山のGK田川のファンブルから長野のコーナーキックになったが、ここは守り切った。
ここから富山が波状攻撃を続けるが、相手のゴールを脅かすには至らず。
80分、長野はMFパクスビンに代わりMF碓井、FW浮田に代わりFW進、富山はMF河井に代わりMF坪川、MF吉平に代わりMF伊藤。
82分から83分、富山はMF髙橋馨希からMF伊藤につないで、FW碓井がシュートするが、これは長野のGKキムミノがファインセーブ。
85分、長野はゴールをあげたMF山中に代えてMFイ スンウォン。
88分、長野は代わったばかりのイ スンウォンがシュートを狙ってコーナーキックを獲得。
ここから富山はカウンターに出ようとしたところ、富山のDF西矢をイスンウォンが倒してイエローカード。
続く富山のチャンスはクロスが大きく外れて何となくこのままドローかという雰囲気が流れたところ。
アディショナルタイムに入ったばかりのところで、左サイドDF安光からMF伊藤にパスが通り、伊藤がフリーで右足でシュート。
カーブがかかったボールは落ちてゴール右のサイドネットを揺らし、これが逆転ゴールに。
これで0−2から3−2と大逆転を果たした。
アディショナルタイムは7分。
その後は、富山もうまくボールをつないで時間を稼ぎ、逃げ切った。
5 逆転につながった魂のシュートブロック
とにかく大逆転だった。
得点を奪った選手が重要な働きをしたのは間違いないが、個人的には緊急出場、鍋田のシュートブロックが勝ちをもたらしたと思っている。
それくらい価値のある守りだった。
出番がなくてもしっかり準備していた証だった。
また、反撃の1点目をあげた髙橋馨希、前節は1本のシュートミスで戦犯のようにされて不憫だったが、その汚名を倍返しで返上する活躍だった。
ここまでの戦い、彼がいろんなポジションをやってくれるから、他の選手をどのタイミングで入れてもチームが回る、陰の重要な役割を果たしている。
もっと評価されていい選手だ。
そして、末木はここのところスタメン出場が減っていたが、再びスタメンを奪うきっかけとなるゴールだった。
さらに、決勝ゴールをあげた伊藤は去年の終盤のキレキレの印象が強く残る中、なかなか結果を出せないでいたが、見事なプレーだった。
これからさらに活躍できるだろう。
3連戦のスタートを劇的な勝利で飾り、厳しい日程をスタートさせた。
残り2試合はホーム。
いいスタートになった。
6 ハイライト
試合のスタッツ
7 今節終了時の順位
大宮は勝利で首位を独走。
沼津は勝利で2位をキープ。
そして福島が3連勝で3位に上がってきた。
富山は6勝7分4敗で11位。
2位との勝ち点差は6。
8 出場メンバーについて一言
MVP
MF 33 髙橋 馨希
1点目のゴールで反撃の口火。
運動量も多く、チームに希望をもたらした。
DF 26 鍋田 純志
とにかくあの守りと熱い気持ち。
あれがチームを変えた。
SVP(さば的視点MVP)
MF 16 末木 裕也
同点ゴール。中盤でリズムを作った。
MF 18 伊藤 拓巳
途中出場で決勝ゴール。
キレが戻ってきた。
DF 25 安光 将作
2アシストで大逆転に貢献。
スタメン
GK 1 田川 知樹
ミスもあったが、失点シーンはどうしようもなかった。
DF 23 西矢 慎平
末木のゴールをアシスト。頑張っている。
DF 2 脇本 晃成
2失点目は振り切られてしまった。
DF 46 川上 優樹
怪我が心配だ。
DF 25 安光 将作
同上
MF 16 末木 裕也
同上
MF 24 河井 陽介
安定のプレーでチームに流れをもたらした。
MF 8 松岡 大智
奮闘し、1点目に絡んだ。
MF 33 髙橋 馨希
同上
MF 27 吉平 翼
1点目、影のアシスト。体を張ってゴールにつなげた。
FW 10 マテウス レイリア
見せ場少なく前半で交代。
サブメンバー
DF 26 鍋田 純志
同上
MF 17 坪川 潤之
古巣相手に奮闘した。
MF 28 布施谷 翔
運動量でチームに貢献。
MF 18 伊藤 拓巳
同上
FW 9 碓井 聖生
得点はなかったがチャンスを多く作った。
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