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31歳110kg喪女がニートになった話

気付けば前回の記事から7か月も経過していました。
7か月の歳月は私を31歳の喪女に進化させ、なんと体重を10kgも増加させてしまいました。
ここまで太ることが出来る私はもはやデブの才能があるとしか思えません。
相変わらず血液検査の数値は若干中性脂肪が高いながらも一番心配している血糖値や血圧などは正常値に落ち着いております。

健康なデブ、とはなんと矛盾した、呪われし言葉でしょうか。
何故こんなに体重増加したのかと言いますと、なんとわたくしニートになりました。

ええ、ニートです。

以前の記事をご高覧下さった方は覚えておられるかも…いえ、もう昔のことすぎて覚えておられないかもしれませんね。
私はいわゆる士業と呼ばれる職に就いておりましたが、元来、クズになりきれない真面目系クズと呼ばれる人種のため、仕事は一生懸命取り組んでいました。
その結果、先輩や上司、果ては後輩からも仕事を大量に押し付けられる始末。
職場で独身であるのは私だけであったため、既婚者の彼らは安心してこう言いました。

「紗綾さん、ごめん。子供が熱を出したので先に帰るからこれをやっておいて」
「紗綾さん、すみません。妻の誕生日なので、今日も帰らせてください」

私は断れず、にこにことしながら彼らの仕事を全て受け取っていきました。
デブでブスで彼氏もいない喪女のちっぽけな自己肯定感は、周囲から仕事が出来る、という評価を得て、ようやく満たされておりましたため、辛くはありませんでした。
人から感謝されて、残業代も支給されるし、なんていいことだらけなんだろう。どうせ彼氏もいないし、友達だってどんどん結婚して子供が出来て、私がいなくたってどんどん時間は進んでいく。
それなら、あたたかいご飯を作って私の帰りを待ってくれている両親に甘え、働けるだけ働こう。
そう思っていました。

そんなある日、仕事中にふと目眩がしました。
あれ、と思ったのも束の間、気付けば私の100kgの巨体は床に横たわっていました。
競りにかけられるマグロのごとく床に転がるわたくし。
誰かが私の名前を呼んでいたように思いますが、判然としません。
手が震えました。
低血糖かな。デブだもの。
そう思いながらも、私のしじみのような小さな目からは大粒の涙がぼろぼろとこぼれ落ちていました。
泣きたいわけじゃない、どこか痛いわけでもない、それなのに私の目からは万斛の涙がこぼれ落ち、止まりませんでした。

たまたま、お客さんに保健師の方がいらっしゃったようで、横たわってぶるぶる震えながら大泣きするデブを優しく抱き起こし、大丈夫だからね、と何度も諭してくれました。
その優しさに余計に涙が止まらなくなり、鼻水を垂らしながら私はただひたすら、年甲斐もなく職場で号泣しました。

たぶん、元々うつ病を患っていた私には、限界だったんだと思います。

その月のうちに、私は逃げるように辞表を提出しました。

さて、晴れてわたくしはニートです。
貯金をどんどん食い潰しながら、ぼんやりと生きています。
仕事をしなくていい日々は、私に安息をもたらしました。
しかし、両親も寝静まった夜中になると、猛烈な飢餓感と不安感が襲い、私は狂ったように食べ物を口に詰め込む日が増えました。
夜中にラーメンを食べに行ったりもしました。
もちろん、マクドナルドをたっぷり2人前、食べました。
コンビニでお菓子もたくさん買いました。
食べてはいけないことはわかってる、それなのに食べずにいられないのです。
意思の弱いデブだと皆さんは私を責めるでしょうか。
責めるとそのストレスでまた夜中にラーメンを食べるんだ。デブをなめるなよ。いじめないでね。

さてそんな生活を続けること数ヶ月、もちろん10kg増えました。
こんなに簡単に太れるのってすごいですね。
もう人生どうしようかな、と途方に暮れる日々です。
きっと人生に絶望している方って割といると思うんですが、こんなデブでブスでニートでも、両親に「生きててくれてありがとう」と言ってもらえるのだから、親ってすごいですね。
両親が亡くなったらどうしようかな、と最近毎日考えています。

そんな気持ちで今日もこんな時間まで起きていました。
は〜!生きるのって難しい。
こんなんでも生きてるんだから、みんな元気だせよな。110kgのデブ喪女ニートとの約束だ。







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