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映画感想文「麻流溝十五号」40年に渡る長き弾圧が台湾に残したものは何か

初めて知った。

白色テロ。第二次世界大戦後に台湾で起きた、言論の自由が奪われた弾圧のこと。多くの人が政治犯として投獄され思想を強制され、改めぬ者は拷問を受け、亡くなった。

驚くことに、それはついこの間まで、なんと1987年まで続いた。40年という長さである。

本作はそんな時代に島流しにあった3人の女性たちの物語である。

闊達な高校生、幼児を抱える看護師、妹を守るために進んで身を投げ出したダンサー。いずれのストーリーも切ない。

親日的で、食べ物が美味しくて、女子旅No.1。そんな印象しかなかった彼の地がこんな歴史を持っていたなんて。この映画ではじめて知った。

映画は歴史の記録としての役割も果たす。本を読むより豊かな映像が100万倍脳を刺激する。

だが映画という観点でみれば娯楽性乏しく。もっとなんとかならなかったか、と唸る。

かくも映画とは難しいものだ。

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