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映画感想文「ボーはおそれている」伏線や仕掛けが凄い、賢い映画。だが、観るのはしんどい

いやー、恐ろしかった。

観終わっての感想。

最初は何が何やらわからない。次々と展開される理解不能シーンの連続に唖然。

浮浪者や殺人鬼が路上にわんさか踊ってる治安最悪地域のオンボロアパートに住むボウ。

そこには不審者が次々訪れ、その度に彼の精神も崩壊寸前。これは彼の夢なのか、現実なのか。狂気を孕んだ不安定ぶりに見てる方もお疲れ気味に。

そのあと、不意に彼を助ける夫婦が現れる。

ほっとしたのも束の間。まともに見えてどこか歯車あわず。あれ?もしかして、この人たちも狂ってる?とじわじわ恐ろしさ満載に。

そして後半。あっと驚く事件が沢山起こる。いやー、そうきたか。とラストに向けて全てを理解。結論、行き過ぎた愛情は恐ろしい。そしてそれは愛ではなく、自己承認欲求だ。

何事にも執着薄い私には、共感ポイントゼロ。

最後まで飽きさせない展開。気の利いたシュールなブラックユーモア。伏線の数々。背景をよく見るとわかる、仕掛け。

それらには脱帽だ。そして、あー、賢い人が映画を作ったんだな、と理解する。

しかし‥観ていて気持ち良い映画ではない。

「ミッドサマー」で名を馳せたアリ・アスター監督の作品。前作もそうだが、人間が一番怖いというホラーがこの人のテーマらしい。

それには賛同する。でも性善説でありたい「あまちゃん」な私には、ちとハードコア過ぎる作品であった。

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