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映画感想文「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」バディ泉京香の存在に救われる

高橋一生が、ちょっと苦手だ。

癖ある人物を演じるのが常。もちろん演技力があるからゆえだが、彼が出てくると、次に何を仕出かすのか、どんな裏があるのかと、知らぬ間に緊張を強いられる。

主人公の漫画家岸辺露伴を演じるのは、そんな高橋一生。原作もテレビドラマもみてない。だけど人気に興味をそそられて、映画館へ。

なるほど、と思った。

バデイ的な存在の編集者、泉京香を演じる飯富まりえが一服の清涼剤。かつ、物語にメリハリを生むアイコンとなっているのが印象的。

まず、スタイリッシュ。

全てオートクチュールだという、彼女の纏う衣装がめちゃくちゃ素敵。

日本にいる時の衣を重ね合わせた繊細な紫の衣装、ルーブルでの黒いタイトミニとベージュのロングコート。

セブンティーンやOggiの専属モデルだったというスタイルの良さが存分に活かされてる。

それでいて、パリコレモデルほどの身長の高さでもないため、スクリーンで悪目立ちもしない。

ひたすら、等身大に美しい。

(現実的には全く等身大ではないのだが、手が届きそうな範囲に感じられる絶妙なライン、だ)

また、最初はミーハーでうるさいと感じた彼女の言動。

物語が進むに連れ、その背景が少しだけ吐露されることで心動かされたり、過去と未来をいったり来たりのミステリーの中でひとり変わらぬ態度であることに、ほっと安心感を覚えたりする。

テレビドラマよりもちょっと豪華な出演者やロケ地、そして華やかな衣装。訳アリの人たちの暗さを払拭する、泉京香の存在。いわゆるアカデミー賞受賞作ほどのややこしさもない、わかりやすいストーリー。

老若男女が気軽に観れる映画としてのバランスが良い。ヒットするのもわかる。

誰にでもおすすめできる娯楽映画。

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