映画感想文「きみに読む物語」何度見ても心を鷲掴みにされる引力のある恋愛映画
ベタだが、心を鷲掴みにする。
いちばん大好きな恋愛映画だ。7月にリバイバル上映するというニュースみて小躍りしてる。絶対みにいく。
20年前、公開時に劇場で観た。すぐDVDも買った。擦り切れるほど何回も繰り返した。それでも映画館のスクリーンはまた違うはずだ。
1940年のアメリカ南部。お金持ちの娘アリー(レイチェル・マクアダムス)は17歳。家族で避暑地に訪れた夏休み。地元の青年ノア(ライアン・ゴスリング)にナンパされる。身なりは貧しいが無邪気に思いをぶつけ、ウィットに富んだ話術を持つ彼にだんだん惹かれていく。
しかし、身分違いの恋をよく思わぬアリーの両親により、2人は引き離される。
それでもアリーを思い続けるノアは毎日手紙を書く。そしてアリーとの約束を果たそうと孤独のなかで、ひとり奮闘する。
さて、ふたりの恋はどうなっていくのか。
という王道ラブストーリー。
なにしろ、ノアがめちゃめちゃ素敵だ。まあ、ライアン・ゴスリングだから、ってのはもちろんある。でもそれをさておいても、アプローチが女心をくすぐる素敵さに満ちている。
みた後に何度も脳内でリフレインしたくなる熱くて甘いセリフのオンパレードなのだ。これを聞くだけでも映画を観る価値がある。
また甘いだけではなく、苦さもところどころ混じってるのが良い。
アリーの両親がノアに投げつけるセリフは胸が痛む酷さだし。2人を引き裂く背景にある、母親の若い頃の体験も苦さに満ちている。ビターあってこそ引き立つ甘さ。そのバランスが良い。
更に、大人になるにつれ、気付くのだ。はじめて観た時は、ひどい親だと憤慨したけど。親の反対がある身分違いの恋だからこそ、2人は燃え上がったんだろうということに。
簡単に手に入ってしまう恋であればノアもあんなに頑張らなかったかもしれない。
そんなツッコミ要素も見え隠れする。それでも圧倒的に人を惹きつける引力のある作品だ。久しぶりに観ていまの自分がどう感じるのかも楽しみである。これぞ、リバイバル 上映の醍醐味である。