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映画感想文「ボブ・マーリー:ONE LOVE」伝説のミュージシャンの36年、コンサート並みに流れる曲が沁みる

音楽に疎い。

それでも名前は知ってる。そして、レゲエの人だよね、ということも。

だけど、知らなかった。こんな風な背景から生まれた音楽であることを。やはり偉大な音楽の絵には多くの苦悩があるのか。

政治と宗教。その中でから生まれた魂の叫び。

レゲエミュージシャン、ボブ・マーリー。独立後のジャマイカで、白人の父と黒人の母の間に生まれる。両親はすぐに別れ、母親に引き取られ貧しい暮らしを送る。

幼い頃から聖書に親しみ、当時ジャマイカで流行っていたラスタファリ運動に没頭。

17歳から音楽活動を開始。21歳で結婚。

政情不安定で二つの政党が対立する国、ジャマイカ。スティービーワンダーの慈善コンサートに刺激を受け、自らも愛をテーマにコンサートを企画。しかしリハーサル中に暗殺を企てられる。

怪我を負ってもコンサートをやり抜き、その後危険を逃れヨーロッパへ。

音楽的に円熟の時を迎える最中に皮膚がんに罹り、惜しまれながら36歳で亡くなる。

最後まで平和や愛を歌い続けた。

なんと濃い人生なのか。

非常に見応えある彼の人生をテンポ良く見せる演出。そして、何よりも彼の音楽が字幕付きでたくさん流れるというコンサートのような仕立て。

初めてまともに聞いたが、やはり伝説になるだけの素晴らしい音楽であることに感銘を受けた。

唯一気になるのは、少しカッコよすぎ、綺麗事すぎ。ということくらい。これも遺族がプロデューサーに名を連ねている故か。

それでもお勧めできる、バランスの良い映画である。

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