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映画感想文「ザ・バットマン」時折みせるナイーブさが心揺さぶる若きバットマンの物語

「いいことも悪いことも吸収し学んでいきたい」 入社時の決意表明にそう書いた。

「なんで悪いことも、なの?」当時の上司に質問された。

善悪は簡単には区別できないから。若き私は、そう答えた。何十年も経った今も、それは変わらない。

凶悪なマフィアや犯罪者が犇めく架空の大都市ゴッサム・シティ。

街を牛耳る何者かに両親を殺され孤児になったブルース・ウェインが、長じて復讐を誓い街の巨悪と戦う、お馴染みのバットマンシリーズ。

バットマンになりたての若きブルースを演じるロバート・パティンソンがむちゃくちゃ良い。

時折みせるナイーブさが、たまらなく心揺さぶり、まだ自我を確立できていない若きバットマンの葛藤に、いちいち胸えぐられる。

弱さが垣間見えるヒーローが、落ち込み、怒りに震えながらも自らの弱さと向き合い、乗り越えようともがく生ききざまの尊いこと。

簡単に答えは見つからない。それでも前に進む姿の孤高さが美しい。

そう、それができることの全てだと思う。

主題歌は懐かしのニルヴァーナ。1991年発売のアルバムに収録の「Something In The Way」。

映像もスタイリッシュで満足の3時間。 既に2回視聴。好き嫌い分かれる作品だが私はかなり好き。

かすかな希望を感じさせるラストも良い。

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