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映画感想文「マイ・ダディ」ムロツヨシ主演、彼の人柄滲み出る心地よい作品

もちろん会ったことはない。作品もそんなに観てない。それでも、きっとこの人はみんなに好かれてるんだろうなと感じる。それが主演のムロツヨシだ。

デビューから20年以上、45歳にして初主演。イケメンでもなく(ごめんなさい)、演技派でもない(こちらもごめんなさい!)。だけど、彼を主演に映画を作りたいと思う人たちがいたんだろうということは、想像に難くない。

見知らぬ私もスクリーンの向こうに感じる、後光が射してるような温かさ、この作品にもそんな彼のキャラクターがよく反映されている。

予想通りの展開に違いないと敬遠していたが、それにしては評判が高いので観に行った。

なるほど。私が映画に求めるものとは違うけど、そこには彼が誰に対しても放ってるであろう、圧倒的な心地よさがあった。居心地のよい映画だった。

劇中に思わぬちょい役で小栗旬登場。そんな出演しなさそうなプライド高いイメージなのに(あ、ごめんなさい!)。やはりこれも、ムロツヨシがみんなに愛されてるという証なのか。

娘役の中田乃愛が思わぬ拾い物。ほとばしる瑞々しい魅力を放つ。草彅剛主演の「ミッドナイトスワン」の服部樹咲に感じたものと同じだ。これは初めて世に出る鮮度なのか、煌めく若さが放つ光なのか。恐らく両方なんだろう。

主演を食うティーンエイジャーを見つける度、存在の輝きにしみじみと感銘を受ける。若さとは、なんて素晴らしいんだろう。

でも、そんなことを発してもきっと当人たちは嬉しくもないだろう。その当時の私がそうであったように。

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