コロナ禍におけるメールマーケティング考

店舗スタッフ起用、メルマガの復活…
コロナ禍で「インフルエンサー・マーケティング」終焉か?

まずはこちらの記事を紹介しておく。

それにしても、世の中は不思議に満ち溢れている。

メールマーケティングは、もはや死に行くツールだった。ビジネスシーンではslackに変わり、消費者向けのメルマガは年々開封率が下がり、長年メールマーケティング業界に携わり愛着がある僕でさえ、さすがに厳しいかも…と思っていた。

だがしかし、このコロナ禍によって、メルマガが見直されているというのだ。消費者はメルマガをニュースフィードのように扱い、情報収集の手段としてメールボックスを開く人たちが多くなっているらしい。

その代わり、トレードオフ的に、インフルエンサーマーケティングが終焉を迎えるとのこと。確かに、いまの風潮的にはインスタ映えした、フォトジェニックなものはマッチしない。映えた写真を投稿しても、この状況下では皮肉になるだけだ。

そのかわり、人々の不安に寄り添う、地味だが共感性の高いコンテンツが人々の心を癒し、等身大のコンテンツが人々の心に突き刺さるだろう。

この流れは、余計な装飾に騙されまいとする消費者心理の本質を突いている。

いま人々が知りたいのは、その商品がいかに優れた素材で出来ているかではなく、その商品がどれだけコストパフォーマンスが良いかでもなく、その商品がどれだけインスタ映えするかでもない。

企業がどのようにこの苦しい状況を捉え、どんな想いで、どのように乗り越えようとしているのか。そうした姿勢と理念、哲学的なものが人々の情緒を震わせる。それこそがブランドとしての価値観を反映し、商品にもその魂が宿る。

見せかけのものは淘汰されるし、すぐにバレる。そのメッセージがいかに社員に浸透し、プロダクトに反映されるか。その総量がブランドの輪郭をクリアにし、消費者に届くのだ。

メルマガが見られる傾向にあるのは、そうしたトレードオフが働いた一時的なものだと筆者は考える。

しかし、一方でメルマガには、常に安定的に、フラットに情報が収集できるメリットがある。第三者であるインフルエンサーによって誇張されたものではなく、その企業自身が発信する情報に直接リーチしたいということ、これこそ、消費者がその企業姿勢をしっかり見極めたいという心理の表れだろう。いかなるチャネルも、決して無駄にしてはいけないのだ。


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