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産後の没アイデンティティ

産後、アイデンティティが失われた気がする。
30代、40代女性向けに、やたら「自分軸」や「ありたい自分」などを謳い、自己理解を促すコーチングサービスが多いのも気になっている。

アイデンティティが失われるからそういったサービスに需要があるのか、
そういったサービスを目にするからアイデンティティを考えるようになり沼に陥るのか。

本日は、自分自身のアイデンティティが失われた気がする理由を時系列にありのまま書いてみる。

産前のアイデンティティ

アイデンティティなんか考えなくてもいいくらい、自分は自分だった気がする。仕事に婚活に妊活に…人生のレールに振り落とされないようにしながら毎日忙しく生きていた。今思えば、「今」をちゃんと生きていたのかもしれない。

独身時代、私のブランディングは完璧なまで強かった。

合コンでは、
結婚したいのに結婚できないバリキャリ女(モテないタイプ)」
会社では、
ベリーダンスを趣味に持つ合コン女(変わり者)」
趣味の場では、
きちんとした会社に勤める婚活中の女性(ありがちなタイプ)」

その場に合わせて名刺を使い分ける感覚で、即座にポジショニングが取れて、自分のスイートスポットもちゃっかり体得していた。
結婚したいのに結婚できないというのは当時は死活問題だったが、キャラ設定的には結構おいしい。だって、必死に恋人を探す焦った女っていつの世もそれだけで需要がある面白さでしょ?!
社風として「アフター5は、合コン行ってきます!お先に失礼します!」も認められたので、本命の彼がいる家に向かうリア充女より幾分可愛がられた。

それに、ベリーダンスを趣味に持つのも、それなりに個性の強いレアキャラになれる。
「アフター5は恋人はいないけどダンスがあるので帰ります」と定時で帰るのもキャラとして成り立つのだ。

服装もH&Mやフォーエバー21の奇抜なデザインにテロンテロンの生地で、言ってることも、やってることも、心の中で思っていることも、見た目も含めて自己一致していたと思う。

※結婚が決まった段階で、「結婚したくて、ついに結婚できた女」に昇格し、多少うまみは低減したが、それはそれで本望だったし、別にアイデンティティが失われた感覚はなかった。

産後のアイデンティティ

今、ここで躓いている。

正直、第一子出産後は、独身と変わらない自分でいたし、それを目指していた。
仕事もバリバリやって、
早いところ、ベリーダンスにも復帰して、
独身時代と変わらない、踊るママ社員
という自分ブランドを確立したかった。

しかし、第二子出産後、それはもう無理だと悟った。

子を一人育てる負荷と子を二人育てる負荷は全然違う。

自分の自由な時間をつくるハードルが格段に上がった。

子が一人なら自分でどうにか面倒を見ながら趣味を続ける選択肢も、夫に預ける選択肢もあったが、子を二人同時に面倒をみる大変さを誰よりも自分がわかっているから、簡単に夫に子を二人頼めない

子を預ける場合は、一人は自分でみることがイーブンの条件になる。

もう少し子が成長したら状況は変わるかもしれないが、現在0才と3才の2才差育児をしながら、ベリーダンスの復帰はまだ難しいと感じている。

服装も最近は、無地のユニクロ一択だ。無難な選択肢を取るしかない。

産後の自分

産後、だからといって、何もしていないわけではない。
活動内容は長くなるので、今回は割愛するが、
相当、色々、活動している。

でも、しかし、どれも婚活やベリーダンスほどのインパクトがない。

育児をしながらできることは、独身時代の時間とお金をかけてできる活動に比べて所詮見劣りする。

今後の自分のアイデンティティとは?

二児の母
というブランドの社会的意義は大きい。

復職すれば、
ワーキングマザー」と名乗れる。

でも、私の神髄を表す言葉ではない

かつての「結婚したいのに結婚できない」みたいな悲劇のヒロイン共感ポイントや「ベリーダンス」みたいな破壊力のあるイメージギャップが欲しい。
一時的な活動ではなく、ライフワーク的な継続的取り組みがいい。

きっと「子どもと一緒に何かをする人」になればいいんだと思う。

できれば、あまり皆がやっていないような、そんな生息地。

私だけのスイートスポット。

まだ見つかっていないし、探している途上。。。




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