ブログ(vol.11)双極性障害 の対処法 - その1

双極性障害 の対処法 - その1 (vol.11)
2015年08月20日


皆さん、お久しぶりです。

ほぼ毎日更新していたブログを少しお休みして
いましたが、今日から復活します。 
これからは無理のない程度に週1〜3の割合で
更新していこうかなと思います。


実は今回「軽いうつ期」に突入していたのですが、
今回はお薬の効果もあって、鬱も軽くて、
10日でまた気分が回復しました。

「気分が下がってきたぞ」 と、自分で感じて、
「やばいな、どうしよう」と思いはじめて、
あっという間に「軽うつ」になってしまいました。

でも、今回は「お薬の効果」にプラスして
「躁エピソード」のときに気をつけていた
自分なりの「対処法」が功をなしたように思います。

そこで、今回は双極性障害への「私なりの対処法」を
ご紹介しようと思います。

・・・・ ・・・・ ・・・・・


以前も日記vol.1〜3にかけて詳しくお話ししましたが、
双極性障害の病気は、「気分の障害」です。

この病気回復の目標は何よりも「気分の波」を抑えられて、
躁鬱の波が和らぐことです。

「双極性障害」の専門家である私の主治医は、

「この病気は、激しい気分の波が抑えられれば、
普通に生活できるようになるものなので、他の病気
に比べるとまだ希望がある」

と初診の時に言っていました。
私の住んで居る土地では精神科医としては、
とても評判が良く「国内一の名医」といわれている
ほどでしたが、よく見かけるネットでの情報とは
真逆のなんとも「楽観的」すぎるような言葉に、
拍子抜けしてしまったのを思い出します。

「この先生、大丈夫かな」と最初は耳を疑いました。
でも、さすがに評判がいいだけあって、処方された
お薬はとてもよく効いて、2ヶ月後には目に見えるように
回復していきました。

病気の回復にむけての第一歩は、まず
「脳内物質の働きを通常に戻す」ために処方された
「お薬を正しく服用する」ことです。

(お薬については日記vol.3で詳しく書きましたので
ここでは割愛します。)

私の場合、初めてお薬(ラミクタール 朝5mg夜25mg)を
処方してもらったのが3月でしたが、気分の波が落ち着いた
今現在(8月)でもお薬は続けて服用しています。

お薬の効果で脳内物質の働きが正常になり、
お薬無しでも大丈夫そうになれば、寛解になるんだと思います
が、今の所まだ服用し始めてそんなに時間が経っていないので、
飲みながら「脳内物質の安定」を待っている段階です。

お薬はネットなどの情報でたまに「自分の判断で調節した」
とか「止めてみた」とかありますが、
担当医に相談もなくお薬の服用を変えるのはやめることを
強くおすすめします。

以前にも書きましたが、まずは何より「真剣に話を聞いてくれる」
「信頼できる」精神科医を見つけることが第一で、
それができたら、あとは先生の診断を信じて半年は過ごす
べきだと個人的には思います。

繰り返しになりますが、「双極性障害」は
脳の病気ですので、お薬なしでは「治らない」です。

次に、私が試して効果的だったのは
「力配分を気をつける」ことです。

うつのどん底から這い上がって、お薬のおかげで
脳内物質の働きもだいぶん落ち着いてきたら、
必ず「躁状態」に突入します。

その時が、ポイントです。
「躁エピソード」に入って、やる気が出てきて、
頭の回転がよくなってきたら、
「ブレーキをかける」こと これ、とても大切です。

私の場合ですが、「いくつかのことをコツコツ少しずつ」
バランスよくやりこなすのが割と下手な方でした。
楽器をやってたときも、毎日数時間練習することは
続けられていましたが、それ以外はコツコツ続いたこと
がほとんどありません。

友人や知人をみていると、趣味が多くて仕事以外でも
「少しずつ」楽しそうにこなしているのを見ていて、
すごいな〜 と思っていました。

「なんで私は、空回りなんだろう」
「なんで、こんなに一つのことしかできなくて、
すぐに疲れてしまうんだろう」

でも、「双極性障害」と診断を受けて、最近やっと
「力配分が下手なだけかも」と思うようになりました。

どこかで読んだのですが「双極タイプの脳みそ」の人は、
「ひとつのことに異常に集中しがち」だとありました。
その集中力と完璧主義は、誰にも勝るほどらしく、
文字通りちょっと「尋常ではない集中」ができるそうです。

だから、芸術家にこの病気の人が特に多いのかもしれませんね。

脳みその使い方が偏っているのでしょうか。
何かに取り組む時に「力の配分」がいまいち掴めていない。

そこで最近考えたのが、「面白そうなこと」を
2、3ピックアップしてみて、定期的に続けてみる
という対処法です。「コツコツ」が苦手なので、
休み休みでもとにかく「続けてみる」。

その時に気をつけているのが
「10できると思っても、2でストップ」です。

というのも、双極性障害の方々のブログを読んだり、
メールをやり取りしたりして直接触れ合っていく中で、
一般の人(双極性障害じゃない人)よりも

「一度に頑張りすぎる」
「やりすぎる」
「力を入れすぎて取り組みすぎる」

これが、「気分の波」を悪化させているのではないか、
と思い始めました。


実は病気が発覚する前から

「頑張りすぎてる」
「もっと自分を大切にして!!」

と友人や知人に言われてきたのですが、
「私は、こんなにも怠け者なのに!」
「(自分の思うように)物事が進んでないのに!!」
とずっと思ってきて、正直、友人たちの言っている
意味が全くわからなかったんです。

つい先日、仲のいい日本人の友人と電話したとき、
日本は「這ってでもやれ!」
というスパルタ式の考え方が根本にあるので、
「自分の限界以上の努力をしても当たり前」
な社会で私たちは育ってきたのだと話していました。

私も中2まで日本の学校教育で、

「がんばること」= 「己の限界を超える努力をする」

と叩き込まれてきました。
今思えば、これが「毒親」に続く病気の
「諸悪の根源」 だった気がします。

少し話は逸れますが、これは「仏教の精神」にも
深く関係しているのかな、と思うんです。

というのも、「仏教」で最も位の高い僧になるため
に必要な修行の最候補は「ミイラ」になることです。

子供の頃、父の部屋にあった手塚治虫全集の中の
「ブッダ」を読んでその最後があまりにも残酷で
衝撃を受けたのですが、お釈迦様であるブッタも
人生の最後を「食物も水も完全に断って、自ら
土の中に埋まって、ミイラ化」したのです。
子供ながらに吐き気を覚えました…。

仏教を悪くは言いたくないのですが、
正直私には「ブッダ、頭おかしかったんだね」
としか思えなくて、今でも彼の最後の話には
ドン引きします…。

仏教の精神がどれほど現代の日本社会に
影響を与えているかはわかりませんが、
無関係ではないでしょうし、
現に「限界を越えろ」的な教育方法には
仏教の教えの面影を強く感じます。

あとは「戦争」という「人殺し」と「自殺」が
正当化されるという「非人間的」な時代の中で、
「お国のために命をささげるのは、素晴らしいこと」
と洗脳されてきた過去の背景もプラスして、
「犠牲万歳」で苦しむ多くの日本人を生み出して
しまっている気がします。

また、戦後アメリカから都合よく「輸入させられた」
ともいえる「お金とキャリア第一主義」の傾向も、
残念ながら日本社会に根ずいてしまい、

・「会社のために、全力で尽くせ」
・「自己犠牲をして相手に尽くせ」
・「どんな時もあきらめずに、最後までがんばれ」

と、ヨーロッパには見られない日本独特の社会
が出来上がっていったような気がします。

日本学科で社会学を専攻した私です。
勉強不足なところもあるでしょうが、博士まで
いったので、この考察は決して的外れではない
とある程度は自信があります。

何はともあれ、そういう「限界を超えることが
素晴らしい」とされる社会では、それができない
人はイコール、「弱者」になってしまいます。

でも、本当に「弱者」でしょうか??

私は、病気のことについて調べていくうちに、
だんだんと、そういう社会で病気になってしまう人は、
決して「弱者」じゃなくて、逆に誰よりも
「まとも」なんじゃないかと考えるようになりました。

なぜなら、「限界を超える」ことは「自然な身体の状態」
を鞭打って「破壊する」行為だと思うんです。

子供の頃から、「がんばれ教育」で育つと、
「自分の限界」がわかる大切な「感覚」が麻痺して、
わからなくなってしまうのではないか。

日本で「双極性障害」が最も再発しやすい時期は
20代後半〜30代にかけてだそうです 。
この時期は「過酷な受験戦争と就職活動が終わり、
職場にもやっと慣れてきた」時だと思います。
そこできっと、今までの「無理」がたたって、
自分の「限界のそれまた限界」を超えてしまい、
病気になるのではないでしょうか。


私は双極性障害と診断を受けて、病気を受け入れ、
真剣に向き合って、一歩一歩回復してく中で、
「一度にがんばらない」大切さを実感しました。

自分を含めて、当の本人は気がつかないです。
「もっともっとできる」と思うんですから。

でも、自分の身体や心によ〜く耳を澄まして
「限界はどこかな?」と自分を観察していくと、
正しい力配分も自然と見えてくるのではないかと思います。


ということで、私は鬱エピソードから抜け出して
「安定したな」もしくは「躁エピソードに入りそうだな」と
感じたら、「一度に多くがんばらない」ことを意識的に
気をつけるようにしてみました。

それを試して、同時に「少ぉ〜しだけ」(10のうち2の量)
を「いくつか」(2、3個)トライしてみたら、
結構効果があった気がします。

まだ、「お試し期間中」ですが、今のところは
お薬と合わせて「効果大」のような気がしています。


「躁状態の時期」(もしくは安定期)に、
どれだけ「がんばらない」で「力配分を上手く調整」
できるか、「自分にブレーキ」をかけることができるか
で、鬱エピソードへの「レベル」と「長さ」が変わります。

ですので、「がんばらない」は、とてつもなく 大切です。

10できると思っても、2でストップ。

回復の方法で悩んでる方は、ぜひ試してみてください。

・・・・ ・・・・ ・・・・

今回もまたもや長文になりましたが、
最後まで読んでくださり、ありがとうございました 。

・・・・・・・・・・・・

【ツイッターもやってます→】https://twitter.com/notifications

【ユーチューブはこちら→】https://t.co/IClzcGXkcu?amp=1

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?