25歳、はじめてのショートヘア

26歳手前で、

生まれてはじめてショートヘアにした。

理由はいろいろあった。
大学生の頃くらいから、いつかはショートヘアにしてみたい、
20代のうちに一度はショートヘアにしてみたい、
となんとなく思っていた。

でもずっと、踏み出す勇気がなかったのだ。
何事も、守りに入っていたのだと思う。

切るぞと決めてから迷いはなかった。
逸る気持ちで美容院へ向かった。
よくある、「あなたはこういうイメージなので、この髪型がお似合いだと思いますよ」みたいな言葉がなかったのが、嬉しかった。

鏡に映った自分を見て驚きはあまりなかった。
ああやっと、という気持ちがかなり大きかったように思う。


髪が長いとき、女の子らしいとずっと言われ続けた。

女の子らしいものが嫌いなわけではない。だけれど、きっとあなたが思うほど女の子らしくはない。期待に応えることが出来なくてごめんなさい、と思うことが多かった。

やがて、「この人、どうせ私に型にはまった女の子らしさを求めてるんだろうな」と勝手に思い込んで、人付き合いが億劫になっていった。


それなのになぜかずっと髪を伸ばして、スカートばかり履いていた。

女の子らしさを求められることを鬱陶しがる一方で、自分が与える女の子らしいイメージに甘えていたのだと思う。

強くなりたいけど、強くなれない。
仕方ないのだと、限界を決めていた。


色んなタイミングが重なって、
あれだけ踏み出せずにいたのに、あっさりと髪を切ることを決断した。


髪を切ってから、以前より自分の気持ちにきちんと向き合うようになったと思う。

あなたが私の見た目に対してどういう印象を抱くかは分からないけど、とりあえず私はこういう人間だよ、というふうに自然な気持ちで人付き合いができるようになったとも思うし、

強くなりたいけど私はどうせ無理だろう、と思っていたのが、自分のペースでいいから少しずつ強くなろう、と思うようになった。


今の髪型が似合っているかは分からないけど、この決断は正解だったと思っている。

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