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立ち退きになって段ボールと洗濯板で暮らした話

まず最初に謝っておきます。全然、苦労話とか美談とかじゃないです。1000%くらい自業自得の甘っちょろい失敗談です。じゃあ、30代の女がなにをやらかして段ボールの上で寝て洗濯板で服を洗うことになったのか、そしてどうやって快適な部屋にしていったか、という話です。

住んでた賃貸マンションが取り壊しに…

昨年の春のことなんですが、住んでいる賃貸マンションのオーナーと管理会社が変わったという通知が来ました。それまで個人のオーナーさんだったんですけど、それが大手の不動産会社に変わった、と。ここで勘の良い方や業界に詳しい方はピンとくるでしょう。好立地の古い建物+大手不動産会社=はい、建て替えです。
私もその時点で引っ越しか~くらいの覚悟はしていたのですが、肝心の今後の予定についての連絡はなかなか来ませんでした。近いうち引っ越さなきゃいけないけど、それがいつか分からないという状態で生活するのは意外と落ち着かず、なんとなく物件情報を見たり、現実逃避に「火星」「移住」「酸素」でググる日々。結局、夏くらいになってやっと「ご相談が…」くらいの感じで電話がありました。
で、そこから色々条件を詰めていったんですが、ワタクシ、事前にお勉強しておきました。賃貸の立ち退き料の相場。自分の中で、「賃貸退去するならお城に住んだらいいじゃない」っていうアントワネットを、「相場のマックスでふっかけるズラ」という銭ゲバがアッパーカットで1ラウンドKOした形です。

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交渉は大事!

まず、先方から条件が示されました。悪くはありません。が、これから支払う引っ越し代と敷金礼金を考えるとちょっと微妙…。そこで私の中の銭ゲバを引っ張り出し、金額交渉させていただきました。正直、初めてのことなんで、ちょっと怖かったですけどね。なんか心証悪くなって訴えられたり、いやがらせされたらどうしよう!?っていらん心配したりして。
でも、そしたらですよ。通りました。あっさり。いいの!?みたいな。こういうケースでも、なかなかこんなにうまくいく事はないと思うんですが、まあ妥当な金額だったんでしょうかね。相手が大きい会社だったっていうのもあるのかもしれません。でもそれも、私が下調べして、ちゃんと条件を示したからなんですよね。もし読んでいる皆さんがこういう状況になったらちゃんと交渉することをおすすめします。合言葉は心の中に銭ゲバ、です。

引っ越し!

さて。結果、立ち退き料は引っ越し代と敷金礼金払っても余裕。いらない荷物は置いていっていい。すぐ引っ越せばそれまでの期間(短いですが)家賃ゼロ。もう、乗るっきゃねえこのビッグウェーブですよ。引っ越しウェーイ↑↑つて。すごい勢いで物件探しました。またしばらく住むところですからね。慎重に決めないと。

結局、たまたま飛び込んだ仲介会社で高橋一生さん似の人が応対してくれたので、ここで決めることにしました(慎重とは)。

でもこの一生さん、いい仕事してくれました。
高級過ぎて候補にも入れていなかったような物件の、端数のような部屋を見つけてくれたんですよ。狭いけど設備は高級物件並みで、これまで住んでた古い賃貸と家賃はほとんど変わらない…!そんなうまい話があるのか?と周囲からは事故物件疑惑をかけられましたが、私は「高級な牛肉もきれっぱしは安い」理論を支持しています。でもお化けでたらご報告します。

安易な思い付きのDIYが…

と、ここまではビックリするくらいトントン拍子です。
が、ここで私はろくでもないことを思いつきます…。思い出してください。立ち退きの条件を。

「引っ越しまで家賃ゼロ」

ということは、ゆっくり引っ越せる!!
そうだ!家具が入る前に、床にフローリング材を張ろう!

ワタクシ、足裏にスプリンクラーでも付いとるんかっていうくらい足汗かくので、賃貸のフローリングにありがちなペタペタした質感が苦手なんですよ。そんな私と同じスプリンクラー系におすすめしたのが、こちらの商品。賃貸でも安心の置くだけはめ込み仕様で、見た目も美しいし、触り心地もさらっとしています。段差もないので、掃除もしやすいですよ!(アフィリエイトじゃないのでご安心ください。笑)

https://www.tansu-gen.jp/SHOP/57300003.html

というわけで先にちょっとDIYしてから本格的に引っ越そうって思ったんですね。そしたら…たまたま仕事が忙しい時期と被ってしまい、結局、本格的な引っ越しまであと2日!しかも平日!という状況にまで追い込まれてしまったんです。

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段ボールで2泊

照明すらついていない、何もない部屋と大量の床材。明後日には荷物や家具が届く。それから床を張るのは至難の業。しかし、その前に残された時間は、仕事終わってから朝までの時間×2しかない。もはや選択の余地はありません。私は泊まり込みで床を張ることにしました。しんどいですが、こればっかりは自分のせい以外の何物でもありません。馬鹿馬鹿しすぎて誰かに応援を頼むことすらできません。
電気スタンドと毛布1枚、お泊りセットを持って、仕事終わりに私は新居に乗り込みました。

大学時代、舞台本番前に泊まり込んで大道具を作っていたのを思い出します。いや、目の前に広がっているのは、そんな素敵な青春の風景ではありません。皆さん想像してください。中年女が薄暗い部屋で、スマホで中島みゆきをかけ、湿った足の裏をペタペタいわせながら床に這いつくばって作業している様子を…。やはりここは事故物件だったと言われても仕方ないビジュアルです。

床材のメーカーさんの名誉のために申し上げておきますが、作業自体はそんなに大変なものではありません!DIY初心者さんでも問題なくできるレベルです。が、いかんせん夜中。しかも明日も仕事。あまり作業ははかどりません。やはり少しくらい寝なければ…。私は持ってきた毛布にくるまりました。

いや、床かてえ。
無理。

ピチピチの大学生ならともかくムチムチの中年には、床で直寝は無理でした。しかしなんとかして体を休めなければ…そんな私の目にうつったのは、床材が入っていた…そう、段ボールです。

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私は、段ボールを積み重ねてつくった寝床にリュックを枕にして横たわりました。(写真は当時をなるべく忠実に再現した様子)
スマホからは相変わらず中島みゆきの声が聞こえます。

「ファ~イト!」

ああ、世の中には頑張ってる人も苦労してる人もいっぱいいるのに、なんで私はこんなアホなことをしているんだろう。でも、こんなことしてても生きていられるの、幸せだなあ。やべえ、私段ボールの上で幸せかみしめてる…。

とまあ、そんな一晩を過ごしたわけでした。(そして結局もう一泊した)

そして2日後。無事床材は張り終わり、引っ越しも完了しました。段ボールには若干愛着が湧き始めていましたが、ありがとう!!と言いながら全部捨てました(当たり前)

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ところが!洗濯機だけは来ず!!ここから本格的な洗濯板(とコインランドリー)生活がスタートします…。
そんなどうでもよすぎる顛末と、段ボールベッドからお姫様ベッドに格上げするまでのDIY記録はまた今度。

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