働き方への問いを持ち、熟成させた3週間。いかしあう働き方研究室レポート
「ありのままの自分で働けていますか?」
こう聞かれて、首を縦に振る人はどれだけいるでしょうか。
仕事だから仕方ないよね
みんな我慢してるし
しんどいのは甘えてるからなんだ
自分で自分に言い聞かせる。このままで良いんだ、僕が頑張れば良いんだ。ずっとそう思っていました。
そして、昨年末に身体を壊した。ある日の朝、布団から出られなくなった。
かなり回復はしたけれど、その日以降、問いが頭から離れたことはありません。「ありのままの自分で働けていますか?」と。
この問いを探究するため、グリーンズさんが主催している「いかしあう働き方研究室」というイベントに参加しました。
週2回、3週間にわたる全6回の研究室。様々なゲストと、仲間たちと語り合った夜。
僕の探究の過程が、誰かの道標になったら幸いです。
第一回:自分なりの問いを考える
テーマでもある「いかしあう働き方」。グリーンズさんでは、自分・人と人・地球という3つの繋がりを掲げています。
今回のテーマは、「自分とつながる働き方」です。
研究室というだけあって、まずは自らの問いを見つけなければいけません。
「ありのままの働き方」を探求する”問い”、それはなんだろうか。
まずは、思いつく限りを挙げる時間。
・働くと生きるを近づけるには?
・文化祭のように働くには?
・探究型の働くとは?
多くが浮かぶけれど、僕が選んだのは
それ自体が目的となる働き方とは?
という問いでした。
「なんでいつか死ぬのに生きるんやろう」と本気で疑問に思う日々。だからこそ、「働く」を手段ではなく、目的にしたい。
“何か”のためではなく、そこで得られる感情や仲間自体が目的になるような。
そんな働き方を探求したいと思いました。
さて、問いは決まった。とはいえ、途方も無い問いです。
どのように探求すればいいのか。一抹の不安を抱え、第一回が終わりました。
第二回:自分のニーズを捉え直す
研究室はじめてのゲストはグリーンズ編集長の鈴木菜央さん。
社会的意義のある活動をしすぎるあまり、自身が体調を崩してしまった「幸せのドーナツ化現象」などを、体験談を踏まえて語ってくださいました。
その中で繰り返し出てきたのが”ニーズ”という言葉。自分の中にある多様なニーズを捉えることで、自分への共感をしてあげられる、とのことです。
分かったような分からないような……。良い感じに頭が混乱した状態で、問いの深堀りをするワークに移ります。
ワークは、グリーンズさんの「いかしあうつながりデザインカード」を使ったもの。
こちらのカードに記載されている10個のニーズから、自身が大切にしたい2つを選んで、語るというワークでした。
詳細は省きますが、僕が選んだニーズは「共存」と「正直さ」。
仲間と感じられる人と一緒にいることで満たされる”なにか”。そして、そこから得られる”自分らしさ”。
深いところにある「自分のニーズ」に気付くことが出来た良い時間でした。
第三回:自らを捉えている固定概念を知る
三回目のゲストは、メンタルモデルという考え方を提唱している三好大助さん。
三好さんが、なぜ「意識の探検家」と名乗るようになったのか、というお話を聞き、自らを縛る”痛み”の扱い方について考える時間。
またしても疑問で頭がいっぱいになった状態で、ワークに移ります。
自らを縛っている固定概念を掘り起こすワークは、下記の4つの問いで構成されたもの。
1.どんな自分をいかしていますか?
2.どんな自分を押し殺していますか?ないことにしていますか?
3.その自分をないことにしていると、どんな体験になっていますか?
4.「その自分をないことにしているのは、だって〇〇だから」の〇〇を埋めてください。
僕の場合は、
1.効率的、論理的に考える自分
2.アウトプットの価値ではない部分で、周りと話したい自分
3.「なんで生きているのか」など考えないほうが良い、と抑え込もうとしている
4.だって「目的への貢献がないのは存在の意味がない」から
奥底にある固定概念が透けて見えますね……。文字に起こすと簡単に見えますが、自分を縛る世界観に気付き、愕然としたことを覚えています。
この固定概念をどう扱ってあげるか。そこに問いへのヒントがあるような気がします。
第四回:自分的職業って?
第四回目のゲストは、株式会社和える創業者の矢島里佳さん。
自分がやりたい職業を探したけれど、それがなかったから起業したと語る矢島さん。大切なのは、起業家などの社会的職業とは別に、自分がやりたいを表した「自分的職業」を持つということでした。
そして、自分的職業を見つけるワークを皆で行いました。ワークは下記の3つの問い。
(1)社会的職業はなにか
(2)やりがいを感じるのはどんな時か
(3)それにやりがいを感じるのは、どんな価値観があるからか
僕の回答は、
(1)ライター
(2)執筆を経て自分の思考がアップデートされたとき。また、読者から「考えさせられた」と言われたとき
(3)生きる、それ自体は意味や答えがなくモヤモヤしたものだが、その中で唯一無二な”その人らしさ”が発揮されるのが尊いと思っているから。
問いをもらうことで、自らの考えが深堀りされる。このワークを経て、なぜライターをしているのか、がハッキリした気がします。
そして、最後には上記から「自分的職業」を名付けるというワークがありました。
僕がつけたのは「常識を揺さぶる問いを優しく投げて考える人」。ここさえブレなければ、社会的職業はなんでも良いのかもしれませんよね。
第五回:beの肩書き
第五回目のゲストは、元グリーンズ編集長の兼松佳宏さん。
beの肩書き、という自分的職業にも似た概念。「勉強家」を自称する兼松さん主導で、自分のbeの肩書きを考えるワークが始まります。
ワークは、「時間が経つのも忘れてしまうくらい夢中になれたこと」について、5分ほど語り、それについて他者からフィードバックをもらうというもの。
そして、仲間からbeの肩書きをつけてもらう、という貴重な体験をしました。
僕がもらったのは
「琴線を掻き鳴らせ!青春クリエイター」
「いまこの瞬間に没頭する 共感がかり」
という肩書き。かっこいい……。大切な贈り物をもらった気分になりますね。
自分的職業と同じよう、この肩書きを満たすことが出来れば、自分の根源的ニーズが満たされる。ワークを通して深い納得感が生まれました。
第六回:自分とつながる働き方とは?
最後は、全5回を通して、自らの問いに答える回となりました。
3週間考え抜いた答えを、多くの仲間へと発表します。
おわりに
3週間にわたる研究室。毎回、自分の中に深く潜る感覚があり、正直とても大変でした。でも、それと同じくらい楽しかった。
固まっていた自分の意識を解きほぐす。知らなかった自分の一面に気付く。仲間から愛のあるコメントをもらう。
どれも貴重な体験でした。
自分とつながる働き方、に唯一の解はありません。今回出した答えも変わるかもしれない。
それでも、自分と、仲間と対話し、見つけ出した答えは大きな意味を持っていると思います。
「ありのままの自分で働けていますか?」と聞かれたら、こう答えようと思います。
「その探求の一歩を踏み出したところです」と。
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