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ライターどうしで高め合う。そんな輪が広がれば【sentence YMO会レポートvol.4】

Webメディアが乱立し、ライターと呼ばれる人が多くなったこの時代。悪く言えば、代わりがいっぱいいるということ。ライターにとっては、”上手い文章”を目指して努力することが求められる。

「文章ってどうしたら上手くなりますか?」と色んな人に聞いてみたことがあります。

「上手いと思った文章を模写するとかかな。でも結局…」
「読み手にどうなって欲しいかを考えて書く。けど、やっぱり…」
「構成を最初に考えるとまとまりますよ。でも一番は…」

赤をもらいまくること!

渾身の力を込めた原稿を提出して、赤をもらう。文章の上達はこの繰り返しが全て。そして、他の書き手の赤入れを見るのも勉強になるんです。

つまり、赤入れを公開すればライター同士で高め合うことが出来る。
この最高の関係を広げるべく、僕の文章へのコメントを公開してみようと思います。

今回は、「書く」を学び合い、「書く」と共に生きたい人の共同体"sentence"で行った、YMO会をレポート。広がれ、赤入れ公開の輪!

YMO会とは?
sentenceでは原稿のスキルアップに向けて「YMO会」という集まりを開催しています。YMO会は、原稿における「Y・M(佳き・モヤっと)ポイント」を複数人で見つけ合ってディスカッションし、最終的にそれぞれが今後の執筆での成長課題「O(推して参る)ポイント」を策定、スキルを磨いていくための会です。
▼ 詳しいやり方はこちらをどうぞ!
https://note.com/tkswest/n/n61aab62063d0

▼ 題材になった原稿はコチラ

自分が感じる違和感は、読者にもバレる

最初にいただいたコメントは
「労働商品、という単語が急な感じがする」「行き止まり、という語の選択がちょっと微妙かも」というもの。

実は、この2つの単語はイメージをうまく言い表すことができず、次点で選択した単語でした。違和感がある、と見事に見破られましたね。

他にも「発話をカッコで囲む、囲まないの違いはなに?」とのご指摘が。
これも、深く考えずに何となくでやったものです。聞かれると、自分でもその意図は答えられず。。。

単語選びでも、表現方法でも、意志を持った選択をしないと読者にはバレてしまう。ことばの力を侮らず、雰囲気でことばを使わないようにしたいです。

内省の文章では感情の一部を大きくしすぎない

YMOで嬉しいのはY(佳き)ポイントも伝えてくれること。
「内省の文章で、内容も重いのに鬱屈していない」とお褒めの言葉ももらいました。

自分の気持ちを表現する文章では、どうしても自分語りが肥大しがち。もちろん、そのような文章にも価値はあるのですが、一歩間違えると自己陶酔の膨張。つまり”イタい文章”になってしまいます。

自己に深く入りはするけれど、俯瞰する視点も併せ持つ。冷静と情熱のあいだ。この視点を意識するだけで、共感の呼び方が変わってきそうですね。

感情にまかせた強い否定は、読者を置いていってしまう

「冷静かつ感情的な文章に感じたけど、書くときに何か意識していたの?」

正直言うと、なにかを強く意識して書いたものではありません。けれど、このような印象を感じてもらえたのは嬉しい。なんでやろう…?と自分でも考えてみました。

そこで思ったのは、何かを否定する文章にはしなかった、ということ。
負の感情をもとに、なにかを強く批判することは簡単です。でも、否定はまわりまわって自分に戻ってくるもの。

「何が正しいかは自分が決める」というテーマの文章だったので、批判的な文章にしてしまうとテーマがぶれてしまうんですよね。この意識があったから、ちょうどよい視点で文章が書けたのかもしれません。

質問されて考えることで、自分の原稿に再現性を持たせられる。これもYMOの面白いポイントだと思います。

互いに高め合う。そんな輪が広がれば

YMOに参加して思いました。生の声が聞けるのは、本当にありがたい。

描写や表現、単語選びについて佳き点を伝えられ、モヤッと箇所を指摘してもらい、推して参るポイントを見つけられる。

感想をもらうことはあっても、詳細までコメントをもらうことはありませんよね。多くの視点でコメントをいただき、執筆に臨む解像度が上がった感覚があります。

僕は、書き手である前に、読み手です。おもしろい文章を読むとワクワクするし、もっとおもしろい文章を読みたい。そして、そんな文章を自分が書けたらな、と思っています。

ことばを扱う人どうしで高め合うことが出来たら、これ以上嬉しいことはありません。輪が広がったらいいな。

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