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ドキッとした夜

いつ頃ぶりかの彼女からのキス

僕にはいま付き合って1年と半年くらいの彼女がいる。

いつも通りの道順でデートを済ませ、うちに帰り夜ご飯を彼女に振る舞った。いつもならここで彼女の時間切れでバイバイだった。だけど、

なんとなく

その夜は孤独を紛らわすために呼び止めた。
デートの時と変わらずたわいもない会話をしながら過ごした。別にその日はそういう行為はする気はなかった。

彼女は目を丸くしながら

「なんか今日は違うね」

「え?なにが?」と半笑いしながら話を流した。別にやましい事は何もないのだが、彼女の少しいたずらめいた言葉は少しドキッとさせられる。

僕と彼女はこれから先の話を冗談めかして言ったりする関係で、僕自身もこのまま彼女と人生を共にするのではないかと思っている。
そんな事を考えていたら、

キスをされた。

「やっぱり、あなたリップつけ始めたのね」

そのとおりである。僕は唇の乾燥がひどく、子どもの頃から唾をつける事でケアしたつもりでいた。そのせいで親に手を引かれ病院に引きずられた事もあったが、昔から変わらなかった。

「だから、どうしたの?」
「柔らかくてスキ、喰べちゃいたいくらい」

ああ、なるほどーー

この日の夜はいつもより強く感じていた。

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