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【エンジニアの道は果てしない】 炎上案件あるあると、その中でどう生き残ったのか?振り返り

こんにちは。すうちです。

毎日どこかで聞く「炎上」と言う言葉。

ほとんどの方はSNSを思い浮かべるかもしれませんが、今回は長く働いていると遭遇する(できれば避けたい)エンジニアの炎上案件の話です。

あまり思い出したくない経験ですが、誰かに役立つこともあるかもしれないので、書いてみたいと思います。

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※タイトル画像:杉江慎介さん


はじめに

これまで20年以上働いて、炎上案件を3回ほど経験しました。

いずれも最初は対岸の火事のように耳にしてた話が次第に席の周辺で聞くようになり、身近なあの人もこの人も。。。そして気づけば自分も案件に投入される流れでした。

「自分は関係ないのに…」と最初は思いつつも、振り返るとどれも結局最後までやってました…笑


私が思う炎上案件あるある

最初の計画から破綻しがち

参加した時には、営業や偉い人達の間で既に開発着手や日程など決まっていました(後から聞くと「それって最初の計画自体が破綻してない??」の印象)。

例えば、開発規模や要件の見積が甘い中、そもそも無理な日程を合意してたり。それに必要なリソースや開発費などを誤っているのがほとんど…思えばどれも当時の会社では実績ない新しい分野でした。

会社として新分野の開拓は必要と思いますが、最初は技術に長けた人が打ち合わせに参加する機会が少なかったり、(案件を取るため)周りの雰囲気や圧力にYesしか言えない状況もあるのか?余裕持った計画の提示は難しい事情もあるように思います。

エンジニア業界は(今も昔も?)人手不足で、技術的な要点を押さえつつマネージメントや交渉に優れた方は希少かもしれません。


関係者(助っ人)が増えがち

どの案件もある一線を越えた頃から別部署の応援だったり、協力会社の方含めて続々と集結する感がありました(会社によって差はあると思います)。

ただ、人が集まると別の問題も出てきます。追加メンバの開発環境手配や教育だったり。特に元からいるメンバ(有識者)に一時的に負担が増えてました。投入した人の分だけ開発が加速して皆がすぐ楽になる訳ではないのです。

また客先に常駐する場合、そこに居る以上、スペースに余裕なくてもこちらの都合で調整できないことも多く、人や机も詰め込み状態だったり開発基板や評価ツールが足らず、せっかく人が増えても予想より効率が上がらないこともありました。

実際に増員の効果が見えるまで、最低3ヶ月位はかかる気がします。


残業や休日出勤が増えがち

これも当然の流れですが、開発の遅れを取り戻すため残業や休日出勤は増える傾向にあります。

一番ひどい時は、チームメンバで土日関係なくシフトを作って休みを調整したり、日勤夜勤2交代制の時もありました。

チームリーダだった頃、1週間以上ホテルや会社に寝泊まりして家に帰れず、全く休めない週もありました(当時30代で体力もあったのでやれてた説…)。

余談ですが、ある年の元旦。

5列あるトイレ(小)にプロジェクト関係者が偶然並んだ時がありました(流石さすがに平日でも全部埋まることは余りないと思いますが)。

ある人が「なんか人生考えちゃうな…」と呟いたのがきっかけで、元旦に5人横並びで用を足してる姿と異様さが滑稽こっけいに思えて、皆で大笑いしたのを覚えています。


炎上案件でどうして生き残れたのか?

ツライ日常に楽しみを見つける

今振り返っても大変な状況でしたが、毎日文句を言いつつも(当時は今より自己中でした…)目の前の仕事に集中してある意味淡々と過ごしてました。

その理由で思いあたるのは、仕事と関係ない食事が楽しみだったことです(孤独のグルメの五郎的な発想)。

昼食や夕食(時には夜食)の時間は、唯一自由に行動できて短い時間で満足感も得られるので同僚や先輩と近くの店を散策したり、一人お気に入りの店で定番を食べるのが楽しみでした。

私の場合、美味しい食事は元気の源で嫌なことも忘れられるので一石二鳥。

人によっては隙間で好きな本を読むとか推しの動画を観るでもよく、本人を元気にしてくれるものなら何でも良いと思います。

他に新しい技術を学んで出来ることが増えていった事も、自分の中で少しやる気に繋がってた部分もあります。


頭を仕事から切り離す

例えば、頭から仕事を切り離すには、趣味も有効に思えます。

私は楽器を弾くと無になれるので、その頃の貴重な休日に家でギターを弾いたり、友人とスタジオに入ると気分転換や活力になってました。

炎上案件は、精神的なストレスも多いので、仕事だけだと気分が滅入めいってしまいます。

意識的に少しでも趣味や運動など自分なりに頭を切り替えられる時間を持っておくと、程よいメンタルを保てると思います。

ちなみに、以前書いた「ヒゲとボイン」のエピソードはこの頃の思い出です。


何でも真に受けない

炎上案件は、皆が緊迫した状態なので(普段穏やかな人でも)トゲのある言い方して周りと険悪なムードになったり。時には上司から無理な要求を言われることもありました。

例えば「あの先輩がキツイ言い方だったのは、休日出勤で昨日奥さんに怒られたのかな…??」とか「上司も顧客から色々言われて仕方なく依頼してるかも」など。相手の立場を想像するとちょっとだけ心の余裕が生まれると思います。

また、明らかに無理な上司の依頼には、100%満たさなくても最善尽くした結果を出したり、自分の解釈でその時できる代替え案を提示してました。

何でもそのまま言葉を真に受けず、適当に流す能力も必要かもしれません。

これも余談ですが、前述の上司(険悪な時もあったけどお世話になった方)は、その後異動になり机の整理を任されました。

「中に何があっても驚かないで」と言われ身構えてた所、新品の替えのパンツが幾つか出てきました。

私も帰れなかったけど上司はそれ以上に帰れてなかったので、上の人はもっと大変だったんだなと気づき、そっと段ボールにフタをして上司に送りました。


最後に

炎上案件を経験して良かったとは思えませんが、前向きに捉えるとプラスになったこともあります。

それは、一度大変な経験をすると耐性ができて、多少キツイ状況になってもあの時よりは全然マシと思えることです。

また転職して思うのは、前職の会社は社員のケアは厚かったということです。

会社によっては炎上しても人を投入できなかったり、働いた分に見合う給料も払われない場合(裁量勤務など)もあると思います。また、長時間残業が続き会社指示で産業医の面談やオフィスに仮眠室もあったので最低限ケアされてたと思います。

そういう配慮もあり、私は(たまたま)乗り切れただけかもしれません。

炎上案件で危険なのは、自分が限界を越えてるのに気づかず働き続けることです。実際周りでも仕事が原因でメンタルを病んだり、転職した方もいました。身体を壊す前にその場から去る選択もありと個人的に思います。

あと今更ですが…こういう事は稀です。それを3回も引き当てた私が珍しいかもしれません。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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