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読書メモ《きいろいゾウ》

オードリーのオールナイトニッポンの過去回を聴いていて、西加奈子さんのゲスト会にたまたま出会った。
その声や話し方がなんともツボで、「この人が書く小説っていったいどんななんだろう」と思い読んでみることにした。
この本を選んだのは、なんとなくタイトルを聞いたことがあったからだった。
あと、本を開いて最初に書かれている「必要なもの。」というところに並んでいるものたちが絶妙で、それで一気に引き込まれてしまった。

普段は照れ臭くて言えないことや、言葉にするのも忘れているようなことが、気づかないうちに積もり積もってしまうことが歳を重ねるごとに増えているように感じる。
そういう積もり積もったものを、少しずつ自分の周りにいる人たちへ伝えていかなくちゃと思った。

環境のせいにするわけじゃないけれど、自然の中にいると人はより素直になれるのだと思う。
自分のこれからの人生の中で、生まれ育った田んぼに囲まれた環境や、もっともっと自然豊かな場所で、一度生活してみたい。
そこで気づけることっていったいどんなことがあるのだろう、
そうやって考えるとなんだかワクワクしてくる。

最近流行の「丁寧な暮らし」という言葉はうわべだけな感じがして好きじゃないけれど、もっと深い部分での「丁寧な生き方」、そういうものに憧れる。
一つ一つ自分の周りにあるものに感情をもって生きるのはとても大変なことだし、時には疲れるかもしれない。
でも、それは大人になると希薄になってしまう「人生の密度」のようなものを保っていくために必要なことなのだ。

心がスカスカして不安になったときにまたひらきたい、そんな一冊だった。

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