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「トレンドを追う日本」と「定番を持つ世界」


歴代の日本代表監督が口にする発言には影響力があり、その言葉がメディアから広がると、日本サッカー全体は「知ってる」「知っていない」の空気になっていく感じがした。

「アイコンタクト」「フラット3」「ポリバレント」「インテンシティ」「デュエル」

Jリーグが開幕した1993年から28年が経過。プロサッカーリーグが発足してから大きく日本サッカーは成長を遂げてきた。2021年の夏。メキシコオリンピック以来となる53年ぶりのメダルをかけて戦ったが届かず4位。


「彼らはサッカーをしているけど、僕らは1対1をし続けている。」


この言葉を聞いて私が思ったこと。

「日本サッカーは、どんなサッカーですか?」「今後どんなサッカーを目指しますか?」



①トレンドを追いかける

1992-1993年、オフト監督が「アイコンタクト」や「トライアングル」を使い、独自の理論や哲学で日本サッカーを引っ張っていました。テレビのニュースでは、自分の指を目の近くに当てながら代表選手に支持を出すオフト監督が。

2年、5年、10年、20年と時が経ち、歴代の日本代表監督からは、「フラット3」「ポリバレント」「インテンシティ」「デュエル」など横文字が聞こえてきました。その言葉は日本語に置き換わることなく、日本に広がります。選手や指導者としては知っておきたいものです。

サッカープレーヤーやサッカー指導者に取って、流行りを知らなければ、どこか恥ずかしい。乗り遅れている。そんな感じがする。テレビから聞こえ、周りのプレーヤーや指導者仲間からも言われると、その気持ちはより強くなるものです。

2021年に「アイコンタクトって大事だよね?」「フラット3は守備の基本だよね?」とは、ならないです。トレンドを追いかけても、日本サッカーの定番にはなりません。


②世界のサッカー

圧倒的にボールを支配し、ポゼッションを高め試合の主導権を握るサッカー。「スペイン」

多くの得点よりも失点をしないことを優先し、より戦術的に戦い、カテナチオと呼ばれる守備陣がいるサッカー。「イタリア」

ボールテクニックに優れ、攻撃的に試合を進めるサッカー。世界的スーパースターが数多く生まれる。「ブラジル」


スペインは1928年、イタリアは1929年に全国リーグが開始。ブラジルは1920年には、全土のうち15の州でリーグが始まりました。100年近くリーグを重ねてきた世界の国々は独自のサッカーを固めていきました。文化を作ったのです。そして自国の定番のサッカーを持ちました。


③日本のサッカー

日本サッカーが世界のトップを目指すには、トレンドを追いかけるサッカーではなく、定番のサッカーを持つ必要があると思います。「ロングボール主体でフィジカルを全面に出す」「まず守備、粘り強く守ってカウンターで勝つ」そのようなサッカーではないし、目指しそうにありません。

【自陣からパスを繋ぎボールを支配。グループで崩して得点を狙い、個の力でも打開できる。献身的に守備をこなし、全員がハードワークする】

私は、こう思います。

スペインのようにパスを繋げる。ブラジルのように個人でも打開できる。そんなチーム。


④定番を作りにいく

「小学校低学年、団子サッカー」「中学年や高学年、パスをつないでいく」「中学生、パスをつなぐorロングボール」「高校生、ロングスロー」「大学生やJリーグー、パスをつなぐ」とかなりざっくりですが、日本は今こんな感じでしょうか。

この夏のオリンピックの準決勝スペインとの試合を観ると、日本のプレスはかからず、自陣からの前進はほとんどが「ドリブルで誰かが運ぶ」or「ロングボールを拾う」のどちらか。0-1と数字だけ見ると後もう少しのようですが、やってるサッカーが全く違い差がありました。

スペインでは、小さい頃からボールを繋いで前進させていくサッカーをしており、それが代表のサッカーになっています。日本も小学生から代表まで同じようなサッカーをし続けないと、定番を持てず、世界のトップには近づけません。


④小学生からフットサルを

「スペインのようにパスを繋ぎ、ブラジルのように個人でも打開できる」にはどうすれば?

答えは、フットサルです。


自陣からボールを繋いでいき、時には個人で打開する。そんなスポーツです。数的同数から、どうすれば、ボールは前進するのか。2人組や3人組での崩し方。そのベースとなるものが詰まってます。子どもの頃から、グループでの前進の仕方を学ばないと世界には追いつけません。

「いや、もうやってるよ。」と思っている方々が多くいるとは思いますが、オリンピックでのスペインとの差は本当に大きかったです。ボールを支配されました。プレスをかけても回避され、プレスをかけられてはロスト。日本がボールを前進させることができたのはロングボールかカウンター、個人でのドリブルでした。ライン間、旋回、3onライン、ボール保持と前進をする基本を知ってる知ってないの差が本当にありました。

ボールを保持・前進する技術をグループやチームとして成熟させていくには「フットサル」です。狭いスペースの中で、決断までの時間はサッカーより短く、プレー人数は少ないので何度も決断が訪れます。ボールは跳ねないので、認知に集中できます。数的同数での前進の仕方を学べます。子どもの頃から取り組めば、必ず日本サッカーは強くなります。フットサルには大きな可能性しかありません。

サッカーとフットサルを両方プレーしてきた選手が多い方が日本サッカーは強くなります。土の上でもフットサルボールを使えば、ボールが跳ねないので認知に働きかけれます。週に1回でいいので、フットサルトレーニングを入れば良いのです。学んだことをサッカーに活かすことができれば、世界に近づいたことになります。選手はハイブリッド。指導者はバイリンガル。今後大事なことになるでしょう。


国内戦でロングボールで前進し、ロングスローで得点しても、日本は世界に勝てないのです。国内戦の先に世界戦は待っていません。

世界がやっているサッカーを知り、取り入れていかないと世界戦には勝てません。



「彼らはサッカーをしているけど、僕らは1対1をし続けている。」

「日本サッカーは、どんなサッカーですか?」「今後どんなサッカーを目指しますか?」



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サッカーW優勝を観る!みんなで観ましょう!




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