見出し画像

名付けのセンスはありますか?

 こんにちは、亀山真一です。
 美鶴さんの新刊『CEOからプロポーズされた理由がわかりません』が発売されました。ヤッター!

 せっかくなのでもう少し宣伝したいと思いまして、今日はネーミングの話をします。


 本作のヒロインは「ゆかり」と名付けました。仮に漢字を当てるならば「縁」となります。就職先の社長と不思議なご縁で結ばれることに由来しています……と、この程度ならネタバレではないですよね。
 彼女の妹は「まどか」にしました。漢字だと「円」ということで、姉妹で同じセンスの名前を上手く選べたんじゃないかなと思っています。

 ヒーローの「天瀬」は社名と一緒に考えました。天の川からの「ミルキーウェイ」を思い付いた時、響きが可愛らし過ぎる気もしましたがアパレル業ならまあアリかなと。
 実は後から出てくる呉服店とその若旦那の方がきれいに決まった気がしていますが……こちらは読んで確かめていただけると。


 店名に関しては2作目『あなたのヒロインになります!~イケメン小説家に恋をしました~』のブックカフェが傑作だったと思っています。

 その名も「名探偵募集中」店長が推理小説マニアであることがよく分かるでしょう。この作品は作中作がいくつか出てくるため、架空の小説タイトルも楽しく考えさせてもらいました。
 そして、一番こだわったのがヒーローの名前です。何故って――。

 若干ネタバレかもしれませんが、未読の方でも「そうだろうと思った」と言ってくれそうなところなので書いてしまいましょう。ヒーローの「若狭優鷹」は、ヒロインの推しの作家「ワカサユタカ」でもあるのです。
(むしろ積極的にばらした方が良かったんじゃないか……と、ふと思ったことはさておいて)
 正体がバレる前も後も、漢字の本名とカナの筆名を使い分けるので字面も響きもこだわりました。「優しい」ではなく「優れる」という意味で名付けられている設定も、彼の姉から指摘してもらっています。

 本編ではここまでしか書けませんでしたがもう一つ、実はこの姉弟の名前は「一富士、二鷹」から験を担いでいるんです。
 ……え、お姉さんの名前? それはぜひ読んで確かめてください。


 もっと名前とエピソードが絡んでいるのは1作目『このイケメン、××につき』ですね。

 プロット段階で「そこじゃない」感溢れる論争をしていた頃から、ヒーローは「悠」という名前がコンプレックスだと決めていました。
「ハルカだし男ですけど、何か?」
 この登場はもう書きたかっただけでしょう。

 この作品はアイドルの芸名と本名の話なんかも出てきます。そんな中、噛ませ犬先輩の名前が一番お洒落ではないかと個人的には思っているので……こちらもぜひ確かめてやってください。


 いろいろと書きましたが、ネーミングは結局のところ閃きだし意味も後付けであることが多いです。
 僕のペンネーム「亀山真一」も、小説に登場させた時は完全に直感でした。クセがあるように見えて、意外と真っ直ぐ突っ走る男かなぁと。

 卒業制作を自費出版した際、家族にもこの筆名が知られて「何で?」となりました。
 父親など見当外れに「亀と山P」かと聞いてきて……確かに『ボク、運命の人です』くらいのタイミングではあったけど、もっと前から使っていた名前だし僕的にあのコンビは今でも「修二と彰」なのよ。

 その後、商業デビューの際に「恋愛系ライトノベル作家には女性名を」ということで「結月美鶴」が生まれました。亀に対して鶴という、縁起のいい名前です。僕は験を担ぐのが好きなようです。
 千年でも万年でも、末長くよろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?