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1つの舞台で1つの記事が書けない

 こんにちは、亀山真一です。
 大学の後輩たちが立ち上げた劇団、かるがも団地の公演を観にいきました。

 この公演情報、たまたまnoteのタイムラインで見つけたんですよね。書く専になりつつある僕とnoteの更新はめっきり減ったかるがも団地が出会えるの、だいぶ奇跡的なタイミングだった気がします。
 ツイッターで見つけても、頑張ってるなと思うだけで素通りした気がするので。

 観劇仲間になっている後輩に連絡してスケジュールを押さえ……いざ、横浜!

「これ、パンフレットにT大って書いてありますね」
「ホントに? まあ僕も書籍の奥付にS大(現T大)って書いたもんな」
「分かります。絶対T大の方が通りがいいですから」
「S大生あるあるだよね」

 開演までの待ち時間でそんなことを話しておりました。かるがも団地がオープンにしているならもう伏せる意味もないんですが、一応アルファベットにしています。

 さて、本題。

 舞台『静流、白むまで行け』は挫折と再起のお話でした。前回見た『野良犬』が挫折して終わりだったので、再起を模索できるようになったのならひと安心だな……と脚本家の現状は何も知らないくせに思ってしまいました。
 だって登場人物には大概書き手が表れるんだもの。後輩の心配して何が悪い。

 そして、相変わらず舞台の使い方が上手いし面白いです。早着替えに靴の脱ぎ履きだけ間に合わないため屋内は海外スタイルだと思ってください、と前説で言ってしまうんですよ。
 脳内ドラマを具象のまま脚本に落とし込んでいる僕にはできない、すごく演劇的な舞台でした。

 しかしフィクションって面白いように人が出会うんですよね。挫折して逃げ出したものの前職に未練タラタラの事務員が、同じように夢をくすぶらせたままの清掃員と職場や帰り道でばったり出会い、深い話をする仲になります。
 どうして僕には出会いがないんだ……と、終演後にお茶して愚痴る未来が皆さんにも見えたことでしょう。同世代とおしゃべりするともうそんな話題ばっかりです。

「最近、DM広告がマッチングアプリとか学資保険とかばっかりなのよ。絶対お年頃がバレてるよね」
「それはそれは」
「でもマッチングアプリも僕には向いてない気がするんだよな。SNS感覚で出会いを探せますって、宣伝のためにSNS動かすだけでしんどいのに」
「なんかもう、付き合って3年くらいのあれこれ乗り越えた後の恋人が欲しいですよね」
「……え、でも君にはいるじゃん。別れたの?」
「いえ、まだ付き合ってはいますけど……別に結婚とか考えているわけじゃないし」

 別れたら次がないから惰性で付き合っているのだという、後輩の愚痴はきっと惚気なのでしょう。しかし、いまだ恋に恋する僕からすれば「何で恋愛の一番美味しいところをすっ飛ばそうとしてるの?」という感じです。
 劇中では再挑戦に怖気づく主人公の「恋愛に逃げるの?」という自問自答もありましたが、現実逃避できるような出会いなんか僕にはないのだと不毛な恋バナが捗ります。

「ネタバレになるからあんまり言えないけど、今連載してる小説って僕の願望かもしれないとはたと気付いたんだ」
「そうなんですか?」
「別にイケメンとか玉の輿とかその辺りはどうでもいい(目の保養なら芸能界にいるし実家が快適すぎて今のところ結婚願望はあまりない)けど、脚本家として興味を持たれる展開でさ」

 だからって素敵な御仁をスカウト(ナンパ)する勇気はないので、新作の宣伝になってしまいます。

https://ncode.syosetu.com/n2860im/

 というわけで、今回も結局告知です。舞台の差し入れとして新刊を渡しました。お金を出してもいいと思ったら1冊自分で買って誰かにあげてね、なんてお願いしたら絶対買いますと受付に立っていた後輩は言ってくれました。
 観劇仲間の後輩の分も一応用意していたんですが、買ってくれていると知っていたこともあって渡しそびれてしまいました。


 舞台の感想も友人とお茶した際の会話も全然拾えていない雑な観劇録になってしまいましたが、かるがもさんも美鶴さんの連載も亀山の新刊もどうぞよろしくお願いいたします。

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