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書くことで過去の傷を

小説を書くことは自分にとってどういうことか?

カクヨムに載せている『トーキョー・ロスト・ガールズ』にしろ、先日出したTLにしろ、ある程度の形になっているものには共通でテーマがあって、例えて言うなら、

ブロック解除。

分かりやすく言えば「自分に対する思い込みから脱却する」という意味です。ブロック解除というワードはスピリチュアル分野で使われることが多い。

この共通テーマがにはつい最近自覚したのだけど、数年前に書き終えた『トーキョー・ロスト・ガールズ』にも、父が娘に「お前は自分を『ガサツ』だと決めつけているだけなんじゃないか」と諭すシーンがあってびっくりした。

これが原動力で、小説を書いてたんだなと気付いた。

(作家になって儲けたい人もいるし儲かるに越したことはないけど、稼ぐんだったらもっと効率がいい手段はたくさんある)

自分に不利益を与える「思い込み」っていうのは、結構過去の経験から沁みついてしまっている。過去傷ついた経験だ。

なんでこんな話をするかというと・・・

生きる上で、お金がないとか持病があるとか環境に問題ありとかいろいろ自分にとって都合が悪いことを経験した時に、精神的に影響される、特に傷ついてしまうことって往々にしてある。

例えば「太っているから痩せよう」と決意して減量に成功した人でも、「健康上問題があるから痩せよう」と「他人に中傷されたから痩せよう」では、後者の方はまだ100%問題は解決してないのではないか。
そもそもの被害である「中傷された時の心の傷」については痩せるだけで回復できるのだろうか。
「常に痩せていないと馬鹿にされる」という強迫心を抱いたり「太っていることが悪」という中傷した側とそう遠くない考えに行くことは、果たしてその人が受けた傷を回復したといえるのだろうか。
(あくまで例えだし、個人差あり。減量の過程で自信がついて自然と癒えることもあろう)

体形のことに限らず、こういう「過去傷ついた自分」を引きずってしまうこ
とって人間結構あるもので、これって本を読むタイプの人なら何も言わずとも伝わると思っていたけど、実は本を読んでいるかいないかって割と関係ない気がしてきた。
そういう経験を読書と結びつけてるかどうか、という方が正確か。

これは割とオタクの中にいるとかなり分かりやすくて、「フィクション大好き!」な人でも、それはあくまで快楽のために摂取しているのであって、「フィクション=現実逃避」の場合、正しい向き合い方だし、多くのフィクションは現実逃避の場として作られている。

私は楽しくフィクションの話をしてる人たちの中で、うっかり内省的な話しちゃって変な空気にしてしまうことが多い。
既存のキャラクターを語るみたいなことを延々やっていると(推しを語る、なんかがまさにそれだ)「なぜそのキャラクターが好きなのか」になるわけで、それは話者の、そして聞いている側の自我というものから逃れられない話にはなる、とは思いつつ、誰も勝手に自我を分析なんてことはされたくないので、そのあたりを聞くときはエチケットが必要になる。
ここでも「必要とされているのは議論を深めていることではなく、共感である」という忠告は有効だ。

私は、自分の内面の問題と向き合うってことが、小説(フィクション)を読むこと、ひいては書くこととつながっているので、小説を書く際にどうしてもそういう世界が出てきてしまう。
なんなら好きなキャラクターにも自分の内面の問題がかなり密接にかかわっていると思う。『美味しんぼ』の海原雄山とか……長くなるからやめよう。

書くことによって、自分の中身が整理されるので、あるいは登場人物が代わりにいろいろ考えてくれるので、書かないよりは思い込みからは圧倒的に抜け出しやすくなる。だから書き続けるんだと思う。

そして、「いつも自分の話ばっかするのはどうなの~?」という誰も投げかけていない視線(これもある種のブロックである)に対する言い訳として、そういうアプローチの方が書くペースが速いし、完成へのモチベを高く持っていられる。
完成させて発表すること、これは作品を作る人にとって金科玉条であり全てにおいて優先すべきこで、こねくりまわして飽きちゃうより、同じ話でも何回でも書き上げた方がいい。
まだそんなに読まれてない状態なら猶更だろ!

カクヨムの話では親に対する怒り、TLでは異性に受け入れられえるということについて考えて書いた。

となると次の課題は自然と「仕事とお金にまつわるブロック」になるんだろうな~って思ったんですよね。
私にとって賃労働ってずっとなじめないものだし、かといってフリーでやれるほどあらゆるものが強くないし、お金は常に人生で立ちはだかる問題……いや、そうだと思い込んでしまっている。
ここにテコ入れする時が来た感がある。

それに対してやっぱり「書くこと」っていう手段をとるんだろうし、最近春だからか筆の進みもいいので、いい流れがきている。このまま進もう。

上記のことが、さっきフッ……と頭によぎったので、新生活がはじまって忙しくなる前に備忘録としてメモっておきました。
ヘッダーはCanvaで作ったんですが、楽しいですね。

最後に。
ブロック解除、本来はプロのカウンセラーさんに相談するようなことなので、これは一種の比喩表現とも言える。
内面の克服は、他人の力を借りることはあれど、絶対に他人に100%お任せするものではない。
ましてお金を払うだけでサクッと解決するような問題ではないので、そこは断っておきます!

あなたの感じたことって何物にも代えがたいよね、ってことを一人ひとりに伝えたい。感情をおろそかにしたくない。って気持ちでnote書いてます。感性ひろげよう。