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イチ営業パーソンが カスタマーサクセス青本 を読んで感じたこと②

いよいよこの本のメインディッシュである第2部へ突入!
今回は10個ある原則のうち前半の5個!メキメキ学んでいきたいと思います!!

前回の第1部のnoteはこちら
では早速いきましょう〜〜!!!(第1部の時とテンションが違うな)

●:重要だと感じたポイントの要約 (一部引用、一部田村による要約)
★:自分が今の仕事へ活かしたい内容、考えたこと


第2部 第4章
カスタマーサクセスの実践

第5章以降のカスタマーサクセスの10原則が取り上げるのは、CS自体の進め方のみではなく、「定期収益ビジネスの取り組む企業が高いレベルで持つべき、そして実行すべき原則」であるよう。


第2部 第5章
原則① 正しい顧客に販売しよう

エグゼクティブサマリーを読んで
●[要約]プロダクトマーケットフィット(PMF)を目指すことは企業の使命だ。PMFにハマっている契約であれば社内業務も顧客拡大にもチャーン削減にも繋がる。しかし、そうでなければ、組織を阻害し、成功や効率化や調整を台無しにする。だが、境界線は曖昧である。そこで重要なのは、「社員全員のPMFにハマった顧客の認識が一致していること」だ。

★[疑問1]PMFにハマった顧客かどうかの判断基準は何か?
★[疑問2]PMFの拡大のためにどのようなスタンスで何ができるのか?
★[疑問3]PMFを目指しどのようなオペレーションを敷くと良いのか?

サマリーを読んで3つの疑問が生じた。これを解消すべく本文を読み進めていく。色々参考になる箇所はあったが、引用すると膨大な量になってしまうので、この章を読んでの自分なりの解釈を上記疑問に沿ってまとめていく。

[疑問1]に対して
→まとめると「使用事例とKPIデータ」を用いてデータ主導で都度判断していく必要がある。例えば、業種、割引率、価格帯などで比較し、チャーンレートや顧客単価の上下、NPS調査結果やヘルススコアなど具体的な数値で判断していく。

[疑問2]に対して
→顧客がPMFにハマっているかどうかをハマっている/ハマっていないの二択ぶつ切りで考えるのではなく、グラデーションで考えていくことが必要かと考える。なぜならまずは顧客にサービスを利用してもらわないと分からないから。その中でデータが蓄積され、顧客対応の優先順位が決まっていく。その優先順位を組み替える作業を都度データを見ながらしていく必要がある、ということなのだろう。優先順位高いところから着手し、効率よく価値提供・収益回収できるようになったら優先順位の低いところにもリソースを拡げていくということなのだろうか。そのため、まずはベンダー側の初期成長段階において収益を伸ばすプレッシャーに身を委ね事例を少しでも増やしていくという点に注力していく必要があるのではないかと考える。

[疑問3]に対して
→すべきことは複数ある。顧客獲得サイクルの初期段階で顧客にあった基準を確立し、収益ファネル内のデータ(リソース配分、CAC率、純チャーン、顧客のLTVなど)を常に追跡できる仕組みを作ること、CS責任者に進行中取引への拒否権を与えること、営業部門に対してリテンションに対する報奨制度を設けること、全社的にターゲット顧客の優先順位を一致させるコミュニケーションデザインをすることなどだ。


第2部 第6章
原則② 顧客とベンダーは何もしなければ離れる

エグゼクティブサマリーを読んで
●[要約]顧客もベンダーも人は変化し、ビジネスモデルも変化する。製品もトップも方向性も変化する。その中でも関係性を維持するためには、片方もしくは両方が意図を持って積極的に連携しなければならない。

★[疑問1]関係性が離れてしまうと具体的にどんな悪いことが起きるのか?
★[疑問2]何故関係性が離れるようなことが起きてしまうのか?
★[疑問3]変化の中で関係性を維持する為にはどんな点に気をつけて連携すべきか?

サマリーで書いてあることはとてもシンプルなので、「ふんふん」と思って読んでいられる。なので疑問についてもシンプルに三つ書き出してみた。この疑問を持って、本文を読み進めていこうと思う。この章でも、引用などはせず、本文を読んでの自分なりの解釈をまとめたものを書いていく。

[疑問1]に対して
→関係性が離れてしまうと起きてしまう悪いこと、それは他でもなくチャーンである。それは会社の成長にも評価にも、それ以上に社内の士気にも影響を与える。獲得コストからチャーンを防ぐのに使った社員の時間までもが水の泡になってしまう。これは何としても避けたい。

[疑問2]に対して
→「顧客は"もっと"成功したがっている」からである。それに対して提供する価値が十分でないと離れてしまう。このことは非常に当たり前のことのように思えるが、忘れてはならないことである。うまくいってない時にチャーンが起きるのは分かりやすいが、うまくいってても、顧客の"さらに成功したい"を実現できないと、これもまたチャーンの要因になってしまう。

[疑問3]に対して
→危険信号を発見して、データに基づきすぐに対策を打てるような仕組みにしておくことである。具体的には、下記項目に沿って状況やデータをモニタリングできるようにしておく必要がある。

・当サービスにおける投資利益率が低くないか。
・実装まで時間がかかったり、止まったりしていないか。
・サービス導入、推進におけるキーマンが変わっていないか。
・サービス使用率(定着率)が低下していないか。
・顧客企業が買収されないか(これは制御できないチャーンである)
・製品機能の不足に不満を覚えていないか。
・トップ(経営層)の顔ぶれや方針が変わっていないか。
・品質の低さや性能の問題により顧客に不便をかけていないか。
・そもそも"正しい顧客ではない"可能性がないか。
・CS部門担当者と顧客の相性が合っているかどうか。

→また、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチそれぞれについて対応スタンスを明確に分けることも重要である。一つ意識したいのは、ピラミッドの下に行けば行くほどリテンション率は下がる。これさえ理解していれば、リソース配分の優先順位を間違うことはないだろう。


第2部 第7章
原則③ 顧客が期待しているのは大成功だ

エグゼクティブサマリーを読んで
●[要約]顧客は"事業目標を達成したいから"あなたのソリューションを買うのだ。製品の特徴や機能だけで決まるわけでは、決して無い。顧客が間違った道を進まないように、たとえ通念に逆らうような内容であっても率直な意見を伝え"なければならない"。これは義務だ。その為に、3つ理解しておく必要がある。
1. 顧客にとっての成功とは何か、定義を理解する
2. 顧客はその価値を達成しているか(達成可能な道を選んでいるか)
3. その過程でどんなCXを与えているか

★[疑問1]この章で伝えたいことの全体像は何なのか?

この章については、サマリーの内容が分かるようで分からなかった(形は見えるが焦点が合わなかった)ので、この章ではそもそも何を言っているのかを正しく理解しようと注力して読み進めていった。

[疑問1]に対して
→要は「顧客の成功に対して責任を持ちましょう」という事のようだった。もちろん、顧客が成功するかどうかは、最終的には顧客自身にかかっているし、そもそも顧客はベンダーの都合上到底困難な期待をするようになっている(世の中が便利になればなるほどこの傾向は強まる)。そんな状況の中でも、こちらができることはその期待を受け入れ、期待に応える(顧客を成功に導く)しかない。もしそれをやらなければ、競合他社が応えてしまう。そういう世界になってしまっている。仮に成功できなかった原因が自分たち(ベンダー側)でなかったとしても、その責任を追うのは自分なのである。原因はどうあれ、チャーンしてしまった事実は変わりないのだから。本文には非常に痺れる文章があったので、下記に引用しようと思う。

"どの問題も対処するしかないものだし、一度問題が起きればすぐ難しいやり取りを強いられる。問題が勝手にどこかに行ってくれることはない。どこかに行ってしまうのは顧客なのだ。" (p160 - l10)

→顧客成功の責任を負うためには、顧客の成功の定義をしっかりとすり合わせる必要がある。その後達成までの顧客との協力体制を築くために、コツは段階的に成功のステップを示し、導入直後早い段階で第一目標をクリアすることができれば、その後困難に直面した際も営業のことを頼ってくれるようになるはずだ。顧客自身が明確に成功を定義し自走している場合でも、よりジャンプアップした他企業の成功事例を示すことでより高みを目指す良い協力関係になることができるだろう。

→どんなに理論でうまく描いても、現実はそう簡単にはいかない。それこそが「カスタマーサクセスの世界」なのだ。終わりの見えない取り組みだが、顧客のレンズを通した視点は情報の宝庫である。顧客と率直なやり取りを重ねて、関係を固める。万が一うまくいかなくても、最悪学びの機会と捉えよう。その積み重ねをしていくしかない。それを乗り越えた先には最も価値の高いもの、つまりアドボケートが待っている。この価値は計り知れない。


第2部 第8章
原則④ 絶えずカスタマーヘルスを把握・管理する

エグゼクティブサマリーを読んで
●[要約]カスタマーヘルスはCSの核心部分であり、営業部門がパイプラインを管理するのと同じように、CS部門もカスタマーヘルスを管理しなければならない。必須事項かつ絶えず実行しなければならない内容である。

★[疑問1]カスタマーヘルスとは何か?
★[疑問2]どのようにカスタマーヘルスを構築していくべきか?
★[疑問3]構築後、どのように把握・管理していくべきか?

結局、この章では、「カスタマーヘルスの把握・管理が事業の生死を決める超重要なポイントだよ!!」と言っているようだ。これまで自分が勉強してきた内容から考えても、この結論自体には全く違和感はない。であれば、その背景や本質は何? 具体的にはどうすればいいの?と考える事で、理解を深めていきたい。

[疑問1]に対して
→カスタマーヘルスが必要である理由は「予測と管理」であり、顧客の将来の行動(更新、アップセル、チャーンなど)を示す日々の指標であり、自部署を日々管理することができる。それまでの経験・科学どちらのアプローチを組み合わせたものでどういう状態が健康かを定義し、観測していく体制を整える必要があり、それがヘルススコアの本質である。

[疑問2]に対して
→カスタマーヘルスの意味を考え抜いてここの顧客に対して様々な角度で分析を行うことは義務である。また、当初採用しなかった項目もいつ光が当たるかわからないので、リストは残しておこう。具体例は下記の通り。
例)製品定着率、カスタマーサポート利用頻度など、調査結果、マーケティングへの関与度、コミュニティへの参加度、マーケティングへの参加度、契約金額の増減、自立度、支払履歴、幹部との関係性など・・・

[疑問3]に対して
→まず大前提として、部門の人間が取り組んでいる業務がヘルススコアを上げることに繋がるかどうかを確認する必要がある。そして、何かヘルススコアに悪影響が確認された場合、直ちに改善するための「行動」に移さねばならない。この「行動」がなければ、数字を見ているだけで意味がなく、管理とは呼べない。

→そして、当たり前だが、管理するためには一番初めに把握することをしなければならない。この際テクノロジーが非常に役に立つ。自動化でもしないと、労力がかかりすぎる。初めは体系立てるために手作業で仕組みを組んでみるのもいいが、最終的には自動化されていないと回らなくなる。


第2部 第9章
原則⑤ ロイヤルティの構築に、もう個人間の関係はいらない

エグゼクティブサマリーを読んで
●[要約]ロイヤルティ構築をするために、CS部門が顧客との接点を全て担う必要はない。最初の営業サイクルからオンボーディング、品質管理、サポート、ソリューション導入という全体の流れに全ての接点において、最適かつ統一性のあるCXを提供することが重要である。そしてそれをベースとすれば顧客基盤の各層に対してそれぞれ最適な対応方法を定めることができる。

★[疑問1]この章で言いたいことは何か?

この章も、原則③と同じように、サマリーだけを読んでも形は見えるが焦点の合わない感覚がある。特に、CXという言葉の定義が自分の中でまだ曖昧だからなのかもしれない。詳しく本文を読み進めて、理解を深めたい。

 - 前提 -
この章を理解するのに、踏まえるべき前提があって、それは「SaaS以前の世界では、営業担当が個人的に属人的に顧客とのロイヤルティを構築しており、それが成立していた」ということだ。ただし、SaaSモデルが普及して、売上の立て方も変化し、営業一人が属人的にロイヤルティを構築するというのに限界を迎えた(営業のリソースも限られているし、一顧客から長期的に売上を立てていく中で様々な部署によるCXが求められるからだ)。つまり、営業の属人性頼らず、個人的な関係なしでロイヤルティを築くという課題が存在しているのだ。

[疑問1]に対して
→前提の部分がしっかり理解できていれば、前の章までに書いてあった内容との重複もあり、復習に近かったように思える。この章で言いたいことは主にロータッチ、テックタッチにおいてだが、事業にあった指標で顧客をセグメント化したのちに、それぞれの顧客を「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」に分け、それぞれに対してどのようにやり取りをしていくか、そしてどの頻度でやり取りをするかの方針を決めていく必要がある。さらには、顧客同士でのコミュニティを活性化させたり、顧客からのフィードバックを会社の戦略などに結びつける制度を整えるなども重要なポイントだ。大事なのは人間関係構築ではなく、価値によるロイヤルティ創出をいかに実現するかということだった。


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第2部 前半まとめ

第1部では語られなかった要素がたくさん出てきて、また、とても実務的な視点で書かれていた。僕のようなイチ営業マンが何に気をつけてCSに向き合うべきなのか、できることは何があるのか、背景や目的と併せて整理することができた。

欠かすことのできない内容としてはやはり原則④のヘルススコアだろうか。顧客が成功しているかどうかを、"どのような観点で"測ることができそうか、これを考えることで自分が今仕事で取り組んでいる新規獲得にも、普段のCXの観点にも明確な基準を持つことができそうだ。今の自分の所属は、明確にCS部門という名前ではないものの、この考え方を取り入れ、日々の業務を見直す必要性に気付かせてくれた。

CSは「顧客の成功に責任を持つ」という、非常に厳しく、また終わりのない仕事だが、その先に待っているのは顧客のロイヤルティ獲得という非常に価値のあるものだ。ここを忘れずにできることをしっかりやっていきたい。

次、第2部後半へ続く・・・

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恥ずかしながら分からなかった、本に出てきた単語シリーズ

【TOFU】略語:Top of the Funnel
購買プロセスの最初期ステージのこと。マーケティングファネルにおいて一番上(最初にある)からTopとされる。ファネルは、ろうとの絵を思い浮かべると良い。問題を自覚し情報収集をしている段階の見込み客のこと。


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