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保護猫《さん》とウチの《まる》 ⑦

さんはオールフリーに そしてウチの子に

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さんが手術を終え、ケージを出て暮らし始めてから5日ほど経った夏の暑い夕方、私は突然お腹をこわした。1時間ほどで治まったが熱はその時37℃ほど、微熱があった。
次の日も平熱ながらだるく、食事にも気をつけていたが、夕食後今度は胃が痛くなった。そしてやはり治まるまでの1時間ほどは微熱があった。

2日とも夜寝るころには症状は治まり、熱も平熱に戻ったけれど、時節柄あの肺炎???と、内心ちょっと青かった。
心当たりは、お腹をこわす前日に唯一の夏のお出かけを日帰りでしたことだ。まあ、潜伏期間が?だけれど。

そして冷静になると、いやいやエアコン!と見当はついた。外出した日、車や美術館で1日中エアコンに当たっていたのだ。暑いからエアコンは必要なのだけれど、外出した日の夕方にはお腹が張って典型的な冷えの症状が出ていた。

案の定、胃痛の翌日にはけろりと元気になったのだが、そうなってからもう一つ、原因を「はた!」と思いついた。

新しい猫を迎え入れたことの気疲れではなかろうか?

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胃痛はそうでないと説明がつかないw さんが来た嬉しさが勝って自覚はなかったけれど、やはり色々精神的に負担もあったのだな、と、具合が悪くなってから気づくタイプ。

そんなこともありながら、とうとう夜もさんをケージから出すことに決めたのだが、それでまた精神的に参ってしまうのでは?・・・という心配は全くなかった。

なぜならば、その頃(さんの夜もフリー化を決める前か後か、よく覚えていない)、だんだん慣れて1階に再び姿を見せるようになったまる女王を眺めながら、急に「まるを信じよう!」という気持ちが降ってきたからだ。

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さんを飼うことを決めたときも、ヤツを眺めていたら急に心がガチャッと決まったのだが(その③参照)、この時もまるを眺めながら、急に「うん、信じる。大丈夫!」と思ってしまったのだ。

特に何か、大きな変化や出来事があったわけではない。
急に、そう思ってしまったのだ。腹の底から。

どうしてそんな気持ちが急に降ってきたのか自分でも分からない。あえて言えば8年間まると暮らしてみて、確かに気難しい他者を受け入れない猫だけれど、それでも互いに通い合う気持ちだとか最終的にお互いを信頼する気持ちとかが、確かにある!と、もう確固として知っていたというか。理屈にはなっていないw
でも考えれば考えるほど、8年間のまるを思い出し、まるは大丈夫だと感じる。

うん、大丈夫。

そしてその時に、すとん!と肩の力が抜けて、ものすごく気が楽になったのを覚えている。

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その時の不思議な気持ちは、ちょっとある種の感動を持って私の中に残っていて、今も消えない。


そしてさんはオールフリー化以後、ご飯の時以外は全く自由に家の中で過ごしている。
まるも涼しくなるにつれ、徐々に1階でかつてのように過ごす時間が増え、さんを、いて当然のもの(仕方がないもの?)として受け入れつつある。

もちろん最初は、2階に上がってくるさんを階段の上から威嚇したり、予想通り我々のベッドで寝たがる甘えんぼのさんに、唸りながら自分はベッドの裏に隠れてしまったりしていたが、さんが2階にも来るようになった分まるはかつての自分の領土、1階を徐々に取り戻していった。

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さんのことは、最初から信頼していた。
穏やかで、他の猫との付き合い方・先住猫への遠慮の仕方を身に付けていて、まるに理不尽にw怒られても、すぐごろんとお腹を見せて「ぼく悪いスライ・・・猫じゃないよ」と伝える。

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オスだしもう体も大きいし、他の猫との喧嘩の経験も十分あるのだから、その気になればあっさりまるに勝ってしまうだろう。しかしまるより上位に立とうとか、我が家を自分だけのテリトリーにしようとかいう態度を一切見せる気配がない。
そしてまるに対して変わらぬ好意を見せ続け、なんでも一通りまるパイセンのすることを真似したがる。
まるはうるさがっているけれど(;^ω^)

有り難いことである。さん、ありがとうね(ヨシヨシ)。

そしてそんなさんに(嫌々ながらもw)慣れ、徐々に自分からも近づこうとするまる、えらいよ(ナデナデ)。

寒くなってきた今、さんはまるにくっついて、猫団子を作りたい。
この間まるが寝ているすきに猫団子がちょっと成功していた。背中にさんがくっついた時まるは寝ぼけながらシャーと威嚇し、そのまままた寝たw

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しばらくしてまるは正気に返り、「にゃんじゃこりゃ~!!」と、ガチ威嚇し、1メートル離れてから再び寝た。

さん(と私)の猫団子の夢は、いつかかなうのだろうか・・・?
2匹が仲よく同じ陽だまりで互いを毛づくろいする日は来るのだろうか?

さんが来てからまだ3カ月。
まると私は色々な動きが「あ・うん」の呼吸だけれど、さんが空気ような、いて当たり前の存在になるのはこれからだ。(今は常にとても邪魔なところに転がっているw ボクちゃんに愛とゴハンをチョーダイぃ)
楽しみは尽きない。


🐾 🐾 🐾 🐾


このようにさんが我が家に保護されてから3カ月、特に大きな問題は起きずに現在2匹の同居は日を重ねている。
大きな問題はなかったのだけれど、さんのオールフリー化以降最初の10日ぐらいは、やはりちょっと面白かったのでいくつか出来事を載せておく。

8月20日ごろ。暑い日。
オットも私も2階にいた。まるも2階にいた。さんが下から上がってくる。
階段の上に陣取りさんにプレッシャーをかけるまる。だがすぐに飽き、我々の方に来てしまった。
そしてその後、いつものようにまるはベッドルームに向かった。2階までたどり着いたさんの存在をすっかり忘れて・・・
そこにさんがいることも忘れどんどん歩いていくまる。気づくと目の前にさん!(決してさんから近寄ったわけではない。さんも無造作にぐいぐい来られてさぞかしとまどったことだろう。だが威嚇もせず、大人しくそこにいた。)
まるはハッとし、ビクッと立ち止まったがもう遅い!!さんに非はない・・・・何事もなかったかのようにさんと鼻をすり合わせて挨拶をするまる。そんなこと、今まで1回もしたことなかったのに!できるんかい!
さんは当然素直に挨拶を受けている・・・が、一応の挨拶が済んだところでまるはいきなり(やっぱり)威嚇した。シャアァァーー!!!!!!!
ツンデレ、ではなくデレからのツンに困惑するさん。さんは何も悪くない。
ただのまるの照れ隠しと八つ当たりだ。
まるはその後さっさとベッドルームに入り、毛づくろいなどしている。

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呆れたオットと私は、二人して(ニヤニヤしながら)まるの様子を見に行き、何もなかったかのように毛づくろいするまるに声をかけた。
「あんた今さんの存在を忘れてたよね?さんは何も悪くないよ?ククッw」
女王は我々にもお言葉を賜った。

シャアァァーー!!
八つ当たりである。

9月9日
「進撃の巨人」最新刊をいそいそと読み始めたソファの足元、まるがさんの前でゴロンとお腹を見せて寝ころんだ。遊びに誘われたと喜ぶさん。そして近づき、顔にまるの猫パンチを食らう。音がパシパシではなくミリミリ!だった。爪付きかよ、まる。さんはまったく気にしていない。いいのか?

9月10日
さんのすぐ近くに置かれた洗濯籠にまるはわざわざ入り、かごの穴からさんにちょっかいをかける。カワイイ♡

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↑ これは後から「やらせ」で撮ったもの。本当はもっと籠がさんに密着していた。

9月11日
まる、さんのしっぽで遊ぶ。カワイイ♡さんのすぐ近くで寝そべっている。(バッチイ草履はご容赦ください)

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9月?日
仲良く顔を寄せていつものように2匹でチュールを食べ、そのまま毛づくろい。満足げな2匹。何の前触れも予備動作もなく、まるはさんの顔に猫パンチを叩き込んだ。ぷへっ!

9月23日
穏やかに過ごしていた。ちょっと席を立って戻ってみると、さんの鼻に糸屑のような白い物が付いている。払ってあげたけれど取れないのでよく見ると、白い爪の抜け殻(結構しっかりしたやつ)が刺さっていたのだ。あわてて抜いてあげた。まるの爪付き猫パンチの証拠。でも声一つ聞こえなかった。全く痛そうでもなかった。さん、顔の皮頑丈だね、いいのかよ。目が無事でよかった。まるよ・・・

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↑ こういうので、もっと先がとがってもっと分厚かった(*_*;)

9月24日
まる、さんに自ら近寄り、鼻チュー!おおお、やっと!!!
やったー( `ー´)ノ
さんは穏やかに受け止めている。今までの経験から、いつまるが態度を豹変させるか分からないのでちょっと用心しているけどw
でも、ちゃんと仲良く鼻をスリスリしていた。

まるが自分のうっかりミスをカモフラージュするための鼻チューから、ひと月後のことだった。

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こう振り返ると、涼しくなってまるが1階で過ごすようになった9月中旬、さんがケージを出て1カ月ほどで2匹の関係が大きく動いたのだなということがわかる。
珍しく記録をつけておいたのが役に立った。

それからさらに2カ月弱、今は適度な距離を保ちながらそれぞれ自分のペースを確立しつつある。
時に仲良くしたり、時にまるのツンデレに翻弄されたりしながら、今日も2匹は元気だ。

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え?ご飯の時?

さんはがっつりケージの中に入れられる。(と言うか、自らゴハンー!とケージに駆け込む。)だって閉じ込めておかないと、自分の分をガツガツと食べ終え、まだゆっくり食べているまるのご飯に突進してしまうのだものw
まるは落ち着いてゴハン食べられやしない(=_=)


2匹の様子は またぼちぼち記事にしていきたいと思います。

さんがウチの子になるまでのお話はとりあえずおしまい。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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↑ ウチの子さんとウチの子まる


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