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【ありふれた日常から】古い自転車で満足してたのに・・・

兄貴のお古だった。
5段変速のサイクリング自転車。

小学生のぼくは大満足だった。
それに乗っていると、自分が少し大人になった気がした。

友達はまだ子供用の自転車に乗っていて、ぼくの自転車を羨ましがった。
ちょっとしたステータスだった。

それがいつの間にか、友達も親御さんにサイクリング自転車を買ってもらい出した。
ぼくの自転車は骨董品になった。

ぼくは必死で走った。
古くてもスピードは負けないって証明するために。

そしたらブレーキが壊れて廃車になった。

現実をちゃんと受け止めて、無理なことはやっちゃいけない。

こんなことを繰り返して、ぼくは大人になった。

「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。