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【ありふれた日常から】九死に一生を得る(豪雨編)

九死に一生を得るとは、このことを言うのだろう。

妻とホームセンターへ自家用車で向かう道中、明らかに雲行きが怪しかった。

ぼくは一人で野菜の苗とガーデニングのグッズを購入したときには、すでに雨がぱらついていた。

台車を押して駐車場に停めた車に急足で向った。
ぼくの車はSUVだ。

トランクのドアを上に向けて開けた瞬間にとんでもない豪雨が降り出した。
バケツをひっくり返したような雨だ。
視界はない、世の中が真っ白になるくらいだ。

ちょうどトランクのドアが屋根代わりになったのはいいが、もうその状態から一歩も動けない。

さらに雨が強くなって、ぼくは狭いトランクへと追いやられた。

ぼくの前を通り過ぎる車のドライバーたちは、不思議そうな顔でぼくを見ていた。
恥ずかしいがどうにも逃げ場がない。

買った商品と台車は雨ざらしだが、移動させることもできない。

豪雨は5分ほどで小雨になった。
ぼくが車にたどり着くタイミングが、あと1秒遅かったら、一瞬で全身がびしょ濡れになっていただろう。

そうなったら妻に車に乗せてもらえないところだった。

危なかったー。

「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。