2018年6月26日(火)

東南アジアのナイトマーケットさながら、我が家には毎晩のように屋台が出る。居間の片隅だったり、洗面室の乾燥機の横だったり、台所のゴミ箱の奥だったりと、神出鬼没だ。

屋台のメニューは「カレー」と「ナン」と「せんべい」が多い。たまに「うどん」もラインナップ加わるが「カレーうどん」は出してくれない。値段はどれも五百円だ。

「ナン」や「せんべい」は裏も表も丁寧に焼いてくれるので時間がかかるのだが、焼き上がっても冷ましてからでないと渡してくれないので、更に時間がかかる。「カレー」や「うどん」はこぼれないよう慎重によそうので、これも時間がかかる。

娘の屋台は丁寧が売りなのである。

この屋台の客は主に私、というか、私の為だけに開かれる屋台である。私が買いに行くまで、娘はずっと「らっしゃいせぇ」「いからでしかぁ」と健気に客(私)の呼び込みをしている。

呼び込みが始まっても、しばらくは意地悪して買いに行かずにいるのだが、だんだんいじらしくなってしまい、最終的には買いに行ってしまう。


案外、娘は商売上手なのかもしれないな。

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