学校歯科健診AI化プロジェクト
意外と知られてないかも知れないが、学校歯科健診は今後ますます厳しくなると考えられる。
そこでこんなプロジェクトを勝手に立ち上げました。
(構想は前からあったんだけどね)
学校歯科健診の現状
学校歯科健診とは毎年4月~6月に歯科医師が学校に赴き歯科健診を行うことである。
児童生徒はたいてい体育館に集められ、健診医1名につき1列に並んで健診受ける。
学校の規模にもよるが、ウチの場合は平日の午前中1.5~3時間程度拘束される。中には丸一日拘束される歯科医師もいるようだ。
多くの地域では歯科健診は歯科医師会会員のみで行い、非会員は学校健診には参加できないしくみになっている。
これから想定される問題点
●歯科医師会会員の高齢化で健診医が不足する。
●非会員の増加(特に若い先生)で学校歯科健診に興味ない先生が増える。
恐らく自院のことでいっぱいなので、健診に時間を割きたくないと考えている先生も多いのだろう。ちなみに歯科医師会会員になると否応なしに配当されることが多い。
●じゃあ非会員に門戸開けって言われても、非会員が何の知識もなく健診を行うと健診精度の担保が難しくなる。
確かに健診については歯科大学等で学んでくるが、それぞれの地域でルールや記入方法などが若干異なるので、歯科医師会では健診精度を統一化するべく研修会やってるが非会員は出席できない。
●学校側にとってもスケジュールが立て込んでおり、正直健診に時間をかける余裕がなくなってきているのではと思われる。
健診を自動化すれば一気に解決するんじゃね?
誰でも簡単に口腔内、特に歯牙の写真が撮影出来て、そのデータを健診医に送信することができれば歯科医師が健診のために学校に出向く必要がなくなる。
虫歯かどうか判定するのはAIだ。疑義が生じた場合にのみ歯科医師が介入すればよろしい。その疑義も積み重なることでその疑義そのものも少なくなっていくはず。
想定される手順
1)養教や担任が口腔内撮影を行う。もちろん一斉に行う必要はない。
2)データが集まったら画像解析センターに送信
3)AIでう蝕の有無、歯肉炎の有無などを判定し、それを学校医に送信
疑義解釈が必要な案件はその画像を学校医に送信
4)最終結果を学校に通知する。
メリットは
●健診は昼休み時間を使うなど、学校の授業時間を潰す必要がない。
(学校側にもメリットなのでは?)
●健診のために学校医が学校に出向く必要がない。また学校医が近隣の歯医者でなくても遠隔地にあっても可能。例えばへき地の学校には有利。
●AIが判定するため健診精度が一律。健診医によってのばらつきがなくなる。例えば「あの先生の列では虫歯が多かった」などということも一切なくなる。
●学校医が出向く必要がないため、出務費が必要なくなる。もしかしたら経費削減も可能。自治体にもメリットになるのでは?
課題点
●実際に撮影する機材の問題。
誰でも簡単に全ての歯牙が撮影できるようなカメラの開発。
●集積された画像データに基づき、AIに教え込む必要がある。
これはある程度の人数の歯科医師の協力が必要。
●日本学校保健会や日本学校歯科医会(日学歯)への対応。
運用にあたっては最低この2者には話を通さなければならない。場合によっては協力して頂くことも必要。両者とも既得権益の塊のような組織でなければいいのが・・・。
●各学校との随意契約として頂く必要があろうが、これにも壁がないのか。
あるとしたら教育委員会や行政の学校保健課であろう。
学校健診の未来を担うのは・・・
学校健診の未来を担うのは、やはりAI健診なのでは?と思います。
現状のままでは、とにかく若手の歯科医師会会員の先生にばかり負担がいきます。
そうなると歯科医師会離れが深刻となるだけではなく、地域保健の崩壊にもつながりかねません。
実現にはいろんな専門家のお知恵が必要と思いますが、ぜひとも成し遂げたいと考えております。
続編はこちら
https://note.com/s_shien/n/n7338fe41dd7a
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