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葬儀やお墓の希望の整理と手配

終活のなかで、【自分でできるもの】と、【他者に任せるもの】 の大きく二つにわけ、一つずつ詳細を記事にしていっています。
前回までに 1.人間関係の確認 2.保険や財産の確認 3.所有物の把握と処分 4.住まいについての計画 5.医療や介護の希望&計画と意思表示 6.遺言や遺言書の作成 を記事にしています。
【自分でできるもの】

1.人間関係の確認
2.保険や財産の確認
3.所有物の把握と処分
4.住まいについての計画
5.医療や介護の希望&計画と意思表示
6.遺言や遺言書の作成
7.葬儀やお墓の希望の整理と手配

今回は、7.葬儀やお墓の希望の整理と手配について書きます。

お葬式について◆
自分のお葬式は自分で決めて準備をしておきたいと考える方が増えて来ています。
なぜなら、お葬式は準備期間がほとんどなく執り行われるため、遺された者が大変な思いをすることが多く(葬儀社を選ぶ余裕がない・短時間で決めなければならないことが多い・病院から搬送した葬儀社に決まると想定外の費用がかかることがあり予算を考える余裕がない)、そのような事態を体験したり見聞きした方は、自分の時には遺された者に大変な思いをさせたくない、と思う方が多くなったからです。
また、近年ご自身で自分のお葬式の準備をするための相談等に応える葬儀社も増えてきたことも、準備がしやすく計画も立てやすくなったと思われます。

ほとんどの葬儀社では【事前相談】を実施しています。
また、それをもとに、【生前契約】を行う場合もあります。

【事前相談】では、
・希望する規模(参列者の人数)
・希望の場所(遠方の参列者が多い場合は交通の便が良いところや、近隣の参列者が多い場合は自宅から近いところ等)
・お葬式の形式(通夜・葬儀と告別式)(仏式・神式・キリスト教式・その他)
・その他こだわりなど 祭壇や音楽など
これらを相談し、費用の見積もりもとったうえで、見積書をエンディングノートに貼っておくといいでしょう。


【生前契約】
費用の面でも遺された者に迷惑をかけたくない方は、生前契約を行います。事前相談をもとに内容を詳細に決め費用の支払い方法を決め葬儀社と契約と取り交わします
※注意すべきこと
生前契約自体に費用が掛かる場合もあるので、事前相談の際に確認しておくとよいでしょう。
・事前相談時に、実際に行ってもらうことを想定して、よく見極めてから契約しましょう。
実際にお葬式を執り行うと予想される者(子や親族)に相談し、契約時に一緒に行ってもらうのもよいでしょう。

契約時にチェックすべきこと
・葬儀社が丁寧な対応をしていて信用ができるか
契約内容は詳細まで明確で、こちらが希望したものになっているか
解約や見直しや変更ができるか、またその際の費用はどうなっているか

しっかりと見極め確認してから、契約しましょう。
契約をしましたら、エンディングノートに貼っておきましょう。
また、お葬式を執り行ってもらう人の名前も一緒に書いておくとよいでしょう。

お葬式全体の費用に関しては、ざっくり 葬儀費用 参列者費用 宗教費用 があり、ここまでで述べたのは葬儀費用にあたります。
参列者への返礼品や通夜や告別式の飲食費などがお葬式プランに含まれていない場合はそれらもプラスでかかります。
各宗教者に渡すお金(お布施など)も含まれていないと思うので、別途かかります。

・一般葬 参列者が友人知人お仕事関係など遺族の関係者が多く参列する
家族葬 家族や親族やごく親しい人だけのお見送り
直送 火葬場のみでのお見送り(通夜や告別式は行わない)
など、お葬式の形も多様性がみられるようになっています。
希望のお葬式で行って欲しい場合は、事前相談や生前契約をエンディングノートに書くだけでなく、実際にお葬式を執り行うと予想される者(子や親族)に伝えておくことも重要になります。
また、生前葬といって、ご自身がご存命のうちに行うケースもあり、形式もお葬式の形やパーティーの形などがあります。


お墓について◆
墓地・埋葬に関する法律により、新しく墓地を設置できるのは、自治体・公益法人・宗教法人に限られています。
〇種類は運営方法により3種類
・寺院墓地(檀家としての義務がある。宗教宗派がある)

・公営墓地(地方自治体が管理・運営し、使用料が安い)
・民営墓地(公益法人または宗教法人が運営し、宗教宗派問わずに使用できる)

〇墓地の選び方について
前述の3種類にわかれており、それぞれの特徴により選びます。
寺院墓地の場合は家の宗教宗派がおなじであることが望ましいです。また、公営墓地の場合は、立地や交通の便が良かったりすると抽選になり、当たるまで時間がかかることがあります。
民営墓地の場合は、宗教宗派が合う寺院墓地がなかった場合にも選択肢になります。様々な様式から選ぶことができます。

〇墓石の選び方について
墓石業者を選びます。民営墓地の場合は、墓地に墓石業者も含めた販売になる場合も多いです。

〇納骨について
墓地のお墓を建てたら、納骨します。
火葬許可証と墓地使用承諾証と受入証明書が必要です。
仏式では、新規の墓には開眼法要(墓石に仏の魂が入る)と納骨式を行います。

〇費用について
お墓は、建てる土地を使用する権利を、使用料または永代使用料を代金として支払って買います。
お墓を建てる費用は、初期費用として、墓石代(はかいしだい)と外作工事費が必要になります。
また、継続してかかる費用として、維持をしていくための管理費や、寺院墓地の場合はお布施などが必要になります。

ここまでは、継承者がいるお墓について、お墓の種類、墓地の選び方、墓石の選び方、納骨について、費用についてお伝えしました。
これらは承継者(範囲は墓地の規約による)がいることが必要です。
承継者も関わりのある部分は相談の上決められるほうがよいでしょう。
また、決めたことを承継者へ伝えておくことが必要です。

ここからは、近年は承継者(跡継ぎ)のいらないお墓が増えて来ており、形も様々なことをお伝えします。
永代供養墓 集合墓 共同墓
一定の期間を過ぎると合葬されるものと、最初から合葬されるものがある
納骨堂(近年は永代的に遺骨を預かることで実質お墓と同じで、承継者が必要なタイプもあるが、不要のタイプもある)形は、ロッカー・棚・仏壇・自動搬送式(お参りの際に呼び出す)などのタイプがある。
・樹木葬(墓石の代わりに樹木を植える)集合と個別がある 袋かそのまま埋葬
・本山納骨 その宗派の中心となるお寺に一部だけを納骨

また、納骨せずに海や山に撒く散骨や、遺骨を手元に置く手元供養などもあります。

供養の形は様々ですが、亡くなった方の生きた証を想い偲ぶことに変わりはないので、遺された方が良いように配慮するのが一番であると私は思います。

終活のなかでの【自分でできること】ということで、ご自身のお葬式とお墓についての全体的な選択肢をなるべくわかりやすくお伝えできたらと思って記事にしました。
もしかしたら、すでにあるお墓のお引越し(改葬)や、墓じまいをして、そこからご自身の行く先についても考えたいという方もいらっしゃるかもしれませんので、それについては、また後日機会をつくり補足でお伝えできたらと思います。


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