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「おふでさきの物語」 第六章 その3

 この世界の最初は、泥海の中に神様の心が存在していただけに過ぎませんでした。その時、ここに世界というものを始めたらどんなに楽しいだろうと考えたのです。しかし、今まで存在もしなかった世界というものをはじめてつくるのですから、それは難しいことでした。様々な道具を用意するところからはじめたのです。泥海の中をしっかりと観察していると、そのなかに「うお」や「み」、それに他の道具も存在していたのです。その道具をすべて集め、しっかりと神様と相談し人間を創造する準備に取りかかったのです。
 今まで誰もしらない人間というものを創造するのですから、神様はどれほどの心を尽くしたことでしょうか。でも誰もこの神様がどれほどの歳月と心を費やして人間をつくったかなど知っている者はいません。それが本当に残念でならないことなのです。本当にこれほどまでに思って創造した世界なのですから、どれほど神様が残念に思っているのか、考えてもらいたいのです。神様が、真剣に心を尽くし、持てる力を出し切って創造してやとできたのが人間なのです。そのようなことも知らないで、人の上に立つ人々は、この世界を我がものと思って暮らして居ます。このことが神様にとって残念でならないことなのです。ですから、この残念な気持ちは絶対にはらさずにはおれないのです。
 この世界で起こる様々な災害、たとえば山が崩れるような地震や津波、雷も台風も、すべて神様の残念な気持ちの表れなのです。この世界を我が物顔で暮らしているような上流社会に澄む人々も、さまざまな権威を持つ団体も、決してうかうかと暮らしていたはならないのです。いつ、どのようなときに神様の働きが消えてしまうか、分からないのですから。
 もちろん、これは一部の人間だけにあてはまることではありません。世界中すべての人々に当てはまることでもあるのです。神様は決して誰かに遠慮をして残念な気持ちを押しとどめるということはないのですから。
 でも、人間は神様にとって可愛い子供なのです。決して苦しめたいとか不幸にしたいとは思っていません。ですから、残念な心を表すようなときも、心を入れ替えるように精一杯に神様の心を伝えているのです。夫々の人々の人生においてどのようなことが起こったとしても、決して誰かを恨むようになってはならないのです。すべて今まで自分自身が使っていた心の表れなのです。この話は今までにも何度も伝えていることですから、しっかりと理解をしてもらいたいのです。
 神様は世界中の人々、すべての心をしっかりと見極めているのです。そうしてそれぞれの心にあった働きをしているのです。そしてその中から、真実の心、誠の心をしっかりと見定めて、その心を受け取っています。その真実の心に対して神様はしっかりと働いてるのです。今まで神様がどのような言葉を伝えても、それを受け止める人々はみな自分たちの都合の良いように勝手に解釈をしていました。しかしこれからは、良いことをしても反対に悪いことであっても、すべて直ちに働いていくことになるでしょう。今までゆっくりと考える時間を与えていましたが、これからはそのような時間を与えないということです。この神様こそ人間を創造した「をや」なのです。ですからさまざまなことを守護しているのです。ですからこれから話すことに決して間違いも嘘もありません。これが絶対に正しいことだと思ってしっかり聞いてもらいたいのです。たとえどのようなことであったとしても、すべて神様が本当にしっかりと考えて始めたことの結果だからです。人々は病気になるとすぐ医者や薬を求め、心配ばかりをしていました。でもこれからはどのような痛みも苦しみも、あるいはでき物であっても、すべて「いき」と「てをどり」で救済していきます。今までこのような救済方法を知った者はいませんでしたが、これからはどんどんと試していけば、どれほど素晴らしい者かきっと理解できることでしょう。どんなに難しい病気であっても、真実の「いき」でたすけていくのです。この神様が人々の内なる真実の心をしっかりと見定めて、うけとったならどのような働きもするのです。
 たとえば生まれてすぐの子供は本当に可愛いものです。親ならばその赤ん坊の幸せを願うことでしょう。赤ん坊が天然痘や麻疹といった病気にならず、もちろん死んでしまうこともなく、元気にくらしてほしいと。でもしっかりと聞いてください、そのような働きもすべて神様の心ひとつにかかっているのです。ずっと同じことを言っているように聞こえるかもしれません。でも、それでもまだ言い足らないくらい神様の心のうちはとても深いのです。
 今回、神様の心に積もった残念な気持ちをすべて伝えようとおもうのです。今回上流社会の者どもから救ける道をとめられたこの残念な気持ちはどうしても表さずにはおれないのです。どのように残念な気持ちを表すかというと、大きな社寺や政府など人々の暮らしを治めている権威をどんどんと取り壊していくということです。ことことは非常に大切なことですから、しっかりと承知しておかなければなりません。この話はどういうことかというと、天からどんどんと火の粉が降り注ぎ、海からは津波が襲ってくるほどの大きなことになるのです。これほど神様が心配に思っているということは世界中の人間たちはいったいどういうように思っているのでしょうか。
 何度も何度も同じはなしをしているように思うかも知れない。また嘆いているように思うだけかもしれない。でも人々が真実の心になりさえすれば、どんどんと救けていくのです。それはどのような人間もすべて神様の子供だからです。だからこそこれほどまでに神様が心配をしているのです。そのことをしっかりと考えてほぢいのです。もっと言えばこの世界のものすべてが神様の身体なのです。ですから人間の身体もやはり神様から借りているものなのです。
 世界中の人間たちがこの借り物であるという真実をしっかりと理解したならば、決して誰も強欲を持つ者はいなくなります。しかし、人間たちは神様が教えたことをすべて自分たちの都合のいいように作り替えて、嫌なことをすべて消してしまい、自分たちの欲望のままに暮らして居るのです。今までもこの世界の真実を教えようと何度も考えたことがありますが、何度も早く教えたいと願ってきましたが、人間たちの心が成長するその日をずっと待ちわびていたのです。人間たちはこのことをどのように考えているのでしょうか。この深い神様の心と働きを決してかるく思ってはならないのです。ほんとうにこのことをちょっとした世間話と同じように聞いてはならないのです。神様の働きというものは、深い思惑がどんあときもあるのですから。
 神様の働きがどれほどに大きなものであるかを伝えてきましたが、まだ人間の目にはっきりと映ったことはないかもしれませんで。でも今回自由自在の働きを人間たちの目にまざまざと見せつけたならばきっと人々もこれが真実であると理解することでしょう。
 この世界のどのような働きもすべて神様の心のあらわれなのです。その心はすべて世界中の人間を救けたいというそれだけなのです。母親の中に生命を宿し込むのも、その生命を育て産まれ出すのもすべて神様の世話取りがあってこそのことなのです。今回こそはどんなことも人々の前にしっかりと働きかけて知らしめようとおもうのです。この働きを見て世界中の人間は誰もがきっと理解するでしょう。自分の心どおりに神様が働いているということを。神様が人々の真実の心さえしっかりと受け取ったならどのような働きでもしっかりとするのです。

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