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断捨離のコツお教え致します / #ファッションが好き

長年アパレルの仕事をしてきて、お客様から一番よく聞く悩み事。

いーーっぱい持ってるのに、着るものがない!

心当たりありますか?特に女性の方々。こうなる原因の最大の理由はズバリこれ。

捨てられない

では何故捨てられないのか。どうすれば捨てられるのか?単純に次々と目につくものを捨てりゃあいいってもんじゃあございません。やり方ってもんがあります。その前に…。


おおよそ高校を卒業してからン十年、アパレル業に従事してきた私が今まで手にした洋服たちを、もしも捨てずにずっと持っていたとしたら一体どうなっていたか….。考えただけでも恐ろしい。その数たるや、そびえたる山のごとし。チョモランマも真っ青です。ではそれをどうやって片付けてきたか。各々が愛着のあるコたちだったことは違いないのですから、捨てるにもそれなりの理由がいります。迷いますよね。

しかしそこには長年培ってきた断捨離のノウハウが役に立って、今現在の私のワードローブの数をご覧いただけると(お見せできないのが残念)よく分かるのですがものすごく少ないです。きっと、皆様の1/5くらいしかないと思います。

でも、全然いけます。めちゃくちゃ快適です。今回その方法をちょっと書いておきますね。


「着ていない服の執行猶予は2年」

これはわざと線引きをしておくことによって、見切りをつけやすいということ。

「買ったけど、去年一度も袖を通さなかった。」

これもよく聞く台詞なんですが、私からすると全く考えられません。何故着ない?というより、何故買った?

これを防ぐためにもまず言っておきたいのは、「買ったらすぐ着る!」次の日着てください。でないとお金を払った価値がない。お野菜やお肉と一緒で、買ったその時から鮮度はどんどん落ちていきます。そう、ファッションは「流れ」です。その時その時の自分の感性と時代の流れがマッチしたものを、大切なお金を出して買うのですから、その時に存分に活用しないと意味がないのです。よく、セールの最後に来年着るものを買うという話を聞きますが、余程の買う理由がない限り全く賛成しません。何故セールの最後まで残ったものを買う?安いからでしょう。でもそれ、シーズンの最後まで誰にも選ばれなかった代物ですよ。それをわざわざ買い求め、一年間タンスの場所を占領させ、熟成させて来年新鮮な気持ちで着られますか?

その服には「安いから買った」というレッテルがずっと貼り付いて回ります。そのコは一生その言葉を背負うんです。そして持ち主のコーディネートが決まらない理由にされるんです。あぁ不憫だ…。

そして「一生もの」という概念は今の時代の洋服にはありません。昔は高価なカシミアや毛皮のコート等を売るときにそういうセールストークもありましたが、今の時代は死語です。「定番」といわれるテーラードジャケットやトレンチコートでさえも、一生着られるものはないと思って正解です。10年も20年も前のものは、やはりどこかしら古臭い「におい」がします。パターンが違うのです。肩幅、身幅、袖幅など、微妙なパターンは着る人をうんとくたびれて見せたり老けて見せたりします。ヴィンテージという概念もありますが、よほどトレンドのエッジのきいたスタイルにプラスすることで生まれるコーディネートの妙で着こなす自信がない限りオススメしません。ヘアメイクや小物まで完璧にしなければ、「古臭いくたびれたひと」になる危険がいっぱいです。一般人はやめておいた方が無難です。よほどのお洒落の達人たちに任せておきましょう。

さて、道が逸れてしまいました。断捨離です。

まず、シーズンの始めに今の自分の感性に合った洋服のイメージを決定します。例えば色。私はこの秋冬は「キャラメルベージュ」にしました。キャメルではありません。キャラメルです。あったかい、甘いイメージです。長らく私の定番はチャコールグレーでした。とてもお洒落に見える色です。そこから派生して白、黒、ネイビーがコーディネートする色でした。ここ3年ほど、流れは黒よりネイビーがブームだったので、少し移行してはいましたが、さほど変化はありませんでした。秋になり、よりお洒落を楽しめる季節に新鮮な風を吹かせたくなったので、テーマカラーを変えました。まず、一つお気に入りのアイテムを決定します。私はブラウンベースのプリントのロングスカートにしました。これを起点にコーディネートをプラスしていきます。まずクリームベージュのスウェットのトップス。それに合わせるボトムはキャラメルベージュのワイドパンツ。そのパンツに合わせる黒のニットはワイドな身幅と袖幅、ドロップショルダーで袖先にはフェイクファーがついています。そしてそのファーはキャラメルベージュのラインが入っている。すなわち最初に決めたプリントのロングスカートにバッチリ合います。つまり、全てがトータルにリンクし合う物たちです。こうして買っておくと、旬なコーディネートが幾通りも楽しめます。そして去年買ったネイビーや白のニット、黒やグレーのガウチョパンツにも鮮度のよいコーディネートができるという訳です。大体、流行のデザインの流れは少しずつバージョンアップしながら3年は続きますから、去年ものは十分使えます。

それにより、いよいよ断捨離すべき物たちが見えてきます。まず数年続いていたチュニック丈のトップスたち。カットものからニットまで、チュニック一辺倒だったトップスたちは今年は出番はないと判断して処分。それにコーディネートしていたスティックパンツ、レギンスの類いも着る機会はないとみて処分。大体、ボトムの寿命は長くて3年と見ていいと思います。この数年で一気にボトムのデザインの流れが変わりましたね。今はワイドやゆったりテーパードが主流です。パツンパツンのボトムはそれだけで古臭いイメージになってしまいます。

そうやって、シーズンの始めに「今年は着ないな」と思われるものたちをザックリと処分すると、クローゼットがスッキリと空きます。そこへ今年の新鮮なアイテムたちをゆったりと(ここ重要!ぎちぎちのクローゼットに無理やり突っ込むと、今年のものまで汚く見えます!そしてどこへしまったか分からなくなる!)保管しましょう。クローゼットを開ける度にワクワクすること請け合いです!

とにかく、今年買ったものをこれでもか!と着倒してください。コーディネートできる去年ものも含めて4~5本のボトムと7~8枚のニットなどのトップスで十分です。あとはアクセサリーやストールなどの小物使いで差し色を入れて遊んだりしてコーディネートの幅を広げていきます。ちなみに私の今シーズンの差し色はブラウンレッドです。ポイントに使うことでキャラメルベージュに合うはずです。リップやネイルもブラウン寄りのレッドで、一層トータルなカラーコーディネートが完成します。


10年も前の、高かったからと捨てられなくておいてあるもの、着る気にはならなくなると思います。だって、それを着た日は「10年前の自分」になってしまいます。いや、中身が年を取っている分、その何倍もくたびれて見えているはずです。まず、精神がダメです。ウキウキしますか?しませんよね。「なんでこれ着てきちゃったんだろう…」って後悔するだけだと思いますよ。それよりも最近買った鮮度のよいものを着て、「最新バージョンの自分」になったほうがよほど魅力的だと思うのです。

そうしてワンシーズン楽しんだら、クリーニングに出す前に再度断捨離します。冒頭で述べたこと、覚えていますか?

「着ていない服の執行猶予は2年」

さあ、去年と今年、全く着なかった服をここで処分します。「もしかすると、今年は着るかも…」と、シーズン始めにとっておいた服、ありますよね?でもやはり今年も着なかった。ということは、来年も着ません。潔く、いきましょう。そしてワンシーズン着倒してくたびれたものも思いきってここで処分します。するとクリーニングに出すものは来年も着るであろう物たちのみになります。かなりスッキリすると思います。

こうやって、シーズン始めと終わりに2回の断捨離をすることによって、一定数の服しか所有しません。選ばれたものたちです。

クローゼットの中に何年も眠っている可哀想なコはいませんか?思いきって処分することによって、気持ちも前向きになり、毎日新鮮で新しい自分でいられます。たかが服、されど服です。その服はあなたを写す鏡です。あなたのアイデンティティーをも知らしめる、重要な要素です。上手く使いこなすことで、色んなメリットがあるはずです。

例えばほら、今すれ違った素敵な男性、あなたのことを目で追っていましたよ🎵


#ファッションが好き #断捨離 #コーディネート #エッセイ


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