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不妊治療のはなし⑥~いよいよ初めての採卵へ~

こんにちは、ながつまさゆみです。
さぁ、いよいよ本日は体外受精にステップアップ後の採卵の体験談をお話しします。

前回のお話しはこちら↓

体外受精の排卵誘発法について

2度人工授精に失敗(というかチャレンジすら出来なかった)し、
もはや体外受精へのステップアップ以外に妊娠への道は残されていなかった私たちはステップアップすることを決めました。

体外受精へチャレンジする場合、まずは1サイクル目で採卵をします。
通常、1回の排卵では両方の卵巣のどちらか片一方から卵子が一つだけ排出されますが、
体外受精のための採卵の場合は、あらゆる方法で卵子を出来るだけ複数個育てて採取することを目指します。

この「あらゆる方法」の中からいずれの方法を選ぶかはその患者の体質や年齢、そしてクリニックの医師の方針によって変わります。

私の友人は注射を使った高刺激の方法で、何と1回の採卵で20個採取出来たとのこと。
その体験談を聞いていたので、何度も採卵チャレンジするのも時間が勿体ないし、仕事も採卵の為に何度も休みたくないし、私も高刺激で一気に採卵してしまいたいな…と思っていました。

結局確率論なので、数打てばその方が当たる気がして(笑)

ところが、私が通うクリニックの医師から提案されたのは自然周期に近い低刺激の方法。
注射や点鼻薬は使用せず、飲み薬の排卵誘発剤クロミッドのみを使用するというものでした。
1度に採取できる卵子の個数は31歳~35歳未満で2~4個とのこと。
う~むむ…

ネットで調べると、初めての採卵や男性不妊要因がある場合、本人が希望すれば高刺激法を採用することが多いようだったので、患者本人の意思を確認することなくクロミフェン法を提案されたのはちょっと不服でした。

先生の考えとしては「数よりも質が大切」であり、出来るだけ自然に近い形で質の高い卵子を1つでも採取することが出来ればその方が成功率は上がるということ。
一応、高度不妊治療に関しては実績のある先生であることは間違いないし、まぁ初回は言うことを聞いておくか…
少しモヤモヤするものはありましたが、先生の提案を受け入れることにしました。
これで1回目の採卵、移植で上手くいかなければ、次回は高刺激でお願いしようと思っていました。

この辺りの考えは本当にクリニックの先生によるようです。
出来るだけ自然に近い形を勧める先生もいれば、高刺激で多く採卵することを勧める先生もいる。
しばらく治療してみて方針がどうしても合わない場合は、転院するというのもひとつの選択肢なのではないかと思います。

クロミッドを飲むだけだったので、通院回数も体への負担も少なく済みました。
採卵周期の通院は、月経開始から3日目に1回、そこから9日後に卵胞の成長具合を確認する目的で1回、そこで採卵日が決定してその2日後に採卵当日を迎えるという通院スケジュールでした。

迎えた採卵当日

そしていよいよ迎えた採卵当日。。。
それまで入ったことがない部屋に通され、手術用の病衣に着替えて順番を待ちます。
初めてのことですし、何とも言えない緊張感がありました。

そして名前を呼ばれて、何とも仰々しい手術室のような部屋に入ります。
先生や看護師さんらは優しそうでしたが、薄暗くて、嫌な雰囲気でした。
真ん中にぽつりと設置されている内診台(股を開いて座るやつ)に案内されます。

採卵する卵子の個数が多い場合は麻酔を使用することもあるそうですが、
私はクロミフェン法だったので、麻酔なしでの採卵でした…!

採卵

こんな感じで注射針を入れられ、麻酔なしでプスッとやられます。
痛みのレベルとしては注射よりちょっと鈍い痛みって感じですかね。
麻酔なしでも全然我慢できる痛みでしたが、ちょっと顔を歪めて「ウッ」となる程度でした。

採卵中はモニターで実際に卵胞を吸い出す様子を見ることが出来ました。なんだか不思議な気持ち…

幸い卵胞がしっかり育っていて良い感じに成熟しているものが4つ、ちょっと未熟だが採取できるものを1つ追加で採って、結果的に計5個の卵子を採取。
クロミフェン法にしては上出来な方だったのではないでしょうか。

採卵後は軽い生理痛のような鈍痛がしばらく続いたので数十分ベッドで休んでいましたが、
この日は半休しか取れなかったのでその後頑張って仕事に行きました。

ぶっちゃけ全然仕事する気持ちにはなれませんでした(笑)

パートナーとの関係の在り方

ちなみに男性側はクリニックに一緒に来てもらってメンズルームで採精してもらうこともできるのですが、
私の夫にはリラックスできる環境の方が良いかと思い、自宅で採精してもらったものをクリニックに持っていきました。

メンズルームで採精というのも、男性側からすると複雑な気持ちですよね。
色んな人がその部屋で採精しているわけですし、あまり気持ちの良いものではないことは想像がつきます。
ただ、その何倍も女性の方が身体的にも精神的にも負担が大きいので、世の不妊治療カップルの男性方には是非協力してもらいたいなと思います。

妊活や不妊治療を女性一人で頑張るのは、本当に孤独だししんどい。
夫婦の問題なのに。

少し話は逸れますが、私は自身が結婚相手を選ぶ前から夫婦の在り方について考えていたことがあります。

死ぬまで夫婦で連れ添うとしたら50年以上パートナーとしてやっていくわけですよね。
50年も一緒に生きていれば、どんな夫婦にも想像しえないような苦労や乗り越えるべき壁がいつかは訪れると思うんです。
端から見ればどんなに幸せそうにしている夫婦であっても、何度もぶつかったり、どうにもならないような苦難にぶち当たったりしているはず。
急に病気や怪我、鬱で働けなくなったり、事件事故に巻き込まれたりするかもしれませんし、
遺産相続や互いの両親・兄弟との間で揉め事に巻き込まれるかもしれません。
子供が障害を抱えて産まれてくる可能性だってあるでしょう。
絶対に、夫婦生活をしていく中で四六時中円満、全て自分の思い通りに事が進むなんてことはない。
だからこそ、何か壁にぶつかった時にもきちんと向き合って、それを一緒に乗り越えるために歩み寄る努力をして、折り合いを付けられる人なのかどうかが、パートナーを選ぶ上で一番大事なのではないかと。

私たち夫婦は今結婚して5年目を迎えましたが、このたった5年の間にもお互いが転職をしたり、ケガで入院して収入が減ったり、そして何より不妊治療に挑戦することになったり、
結婚前には想像していなかったような壁にぶつかってきました。

時には言い合い、不満をぶつけてしまうこともありましたが、最終的には笑い飛ばして一緒に何とか乗り越えてこれたかなと思います。
「逃げるは恥だが役に立つ」の中でも夫婦は共同経営責任者、と夫婦の在り方を表現していましたが、まさにその通りですね。

家族の問題、夫婦の問題から目を逸らさず、夫婦がきちんと向き合って一緒に乗り越える、
そんな姿勢をきちんと持つことが出来れば、辛い不妊治療も乗り越えられるのではないかと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回は採卵後の経過と移植までについてお話しします。

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