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散文詩 『僕だけに見えるセカイ』

ただ、意味だけ、考えていた。


その意味を
その理由を
その言葉を

ベランダから見渡せる空を眺めて
まだちょっと肌寒い風を感じながら
どこまでも高く飛んでいるあのツバサを
ふたつの瞳で追いかけて

どうしようもなく切なくて

そういう瞬間を
いくつも繰り返して
歳をいくつ重ねても
ふとした時の切ない感情は
僕の元から離れてはくれない

ただ、でも
無くなってほしくもない

そういう気持ちに浸ることも
いつかのどうしようもない淡い気持ちも
いつまで経っても居なくなってくれない人も

そういうのが無くなってしまったら
僕はボクでいられないと思うから
ときどき背伸びをして
また時には小さく膝を抱え込んで
そうやって、自分を探し続けていく

きっと、あと何年経っても
この世界観は変わらなくて
この世界観は変えられなくて
そういうこと考えられなくなったら
何か大切なモノが終わってしまうような気がして
ああ、今のままでも、いいんだなって思う

曖昧さをいつも抱きしめて
くさいセリフをいつまで経っても卒業できなくて
そういうことを恥ずかしげに言っていた時代は過ぎ去って
少し何かを知って
また何かを失って
そうやって口をつく言葉はちょっとだけ
ほんのちょっとだけ、雄々しくなっていく

でも、空を見上げるふたつの瞳は
いつまでも変わらず、潤んでいて
その青さが、いまも僕を、守っている

そんな気がして
僕はまた、言葉を紡ぐ

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