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散文詩 『その瞳にうつるモノ』

そこから見える景色は
どんな風に見えるのだろう

時間
空間
空気感
光の加減
天気
誰と視るか

ひとつとして、同じ光景はない

たとえ同じ場所から見たとしても
その瞬間から1分1秒ズレれば、それは変わる

その風景を目に焼き付けて
その風景を心に焼き付けて
その感情を心に焼き付けて

僕は静かに呼吸を繰り返し
確かに「何か」を握りしめる

そっと溢さぬように
そっと振り落とさないように
そっと悟られぬように

僕はひとり、静かに、握りしめる

そこで目にしたモノは
いつか僕を助けてくれるかもしれない
いつか僕を救ってくれるかもしれない
いつか僕を許してくれるかもしれない

ただ、只、ただ
そっと、ぎゅっと、握りしめる

手のひらにじんわりと広がる温かさ
感じて、また、立ち上がり、歩き出す

そうして、また明日を生きていく

誰にも見られぬまま
そのストーリーは静かに
また次の物語を紡ぐ

キミの物語も
ボクの物語も
きっと、その先へ

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