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散文詩 『芽吹くとき』

手のひらいっぱいに広がるのは
いつかの想い

風が強く吹きつける

鮮やかな色に包まれた
大きな木下で
僕はただ、思い出していた

わかること
わからないこと
わかっているつもりだった
わかっていたつもりだった

僕という小さな木は
まだ芽吹いていなかった

芽吹くには
時の流れがあって

良いときも
そうでないときも
「いつかきっと」という想いが
養分となって、育まれていく

その木に芽吹くは
どんな色の花びらだろうか

その木に芽吹くは
どんな想いの集合体だろうか

好きにすればいい

自分の思うように
表現したいように

好きな色で芽吹き
咲き誇ればいい

僕は思い出す

それはもう知っている
自分はもう、知っている

どんな表現で芽吹くのかを
知っている

あとはただ
信じるだけ

そのときが来る
必ずやってくる

そして芽吹くのを
涙して眺めればいい

僕は知っている
あなたも知っている

それは美しく
鮮やかな表現であることを

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