勝手に10選〜爆笑!オモシロ邦題編PART2〜
(前記)
筆者も書いていて非常に面白いこの企画であるが、呉々もご承知頂きたいのは、訳者の方々も真剣なのである。
スポーツの珍プレーだったり、ドラマ、映画のNGだって、真剣に取り組んでいるから故に、結果的に実に笑えるのだ。
ウケを狙っては笑えない。
洋楽を日本の人々にキャッチーに、解りやすく、いかに受け取って頂き、手に取って頂きたい一心なのだ。
そんな敬意を表して、今回も笑って頂きたい。
・夢の人
ビートルズの"I’ve Just Seen A Face”の邦題だ。まあ、訳すると、彼女と出会った瞬間、みたいな感じだろうか。
実に切ない片想いの歌詞で、確かに彼女の夢を見よう、みたいなフレーズもあるが…
…邦題だが、まず、断じて意味不明だ。
女性を指しているのか、主人公を指しているのか。
百歩譲っても、第3者的に、実に上から目線で冷たくは無かろうか。
しょせん、あんたには夢っ!ていう。
主人公、もしくは女性が夢の人っていう。
第三者による断罪極まりない。
・悲しみをぶっとばせ
ビートルズの"You’ve Got Hide Your Love Away"の邦題だ。
直訳すると、君は愛を隠さなければならない、となる。歌詞は抽象的ではあるが、失恋した男が落ち込んで、周りに対してもナーバスになっているが、君はそれを見せてはならない、みたいな内容である。
…邦題だが、いやいや、そんな事を命令されても困り果てる。
いきなり、悲しみをぶっとばせ、と言われても、とはいささか他人行儀で無理強いで、乱暴な命令ではないか?
悲しみをぶっ飛ばしたくとも、ぶっ飛ばせない、実に無理な命令だ。
悲しみの側からすると、まあ、やれるもんならやって下さい、だ。
・真夜中を突っ走れ
ジョンレノンとエルトン・ジョンの共作である名曲"Whatever Gets You Thru The Night"の邦題だ。
訳すと、どんな形で夜を過ごそうとも、となる。
…で邦題であるが、いやいや、いきなり、そんな事を言われても困る。
そんな事を命令される筋合いも無い。
何が目的で真夜中に突っ走れと言うのか。
治安の問題もあり、職質される可能性もあり、なんなら明日の仕事に差し支えがでるし、風邪もひきかねない
・冷たい七面鳥
ジョンレノンの楽曲"Cold Turkey"の邦題だ。
確かに、直訳すると、確かに冷たい七面鳥であるが、"Cold Turkey"はスラングで麻薬の禁断症状を意味する。
…が、麻薬の取り締まりが非常に厳しい日本国民に、いきなり"冷たい七面鳥"と言われても。
冷凍食品…、七面鳥が亡くなった…、いや、七面鳥の性格が冷たいのか、…余計な妄想しか出てこない。
・インスタントカーマ!
ジョンレノンのシングル"Instant Karma!"の邦題だ。
やってしまいましたね。完全に間違えている。
正解はインスタントカルマ!だ。
声高高に笑顔で、インスタントカーマ!っ
と、叫ばれた日には、日本人として実に恥ずかしい。
カルマは因果応報、因縁を意味し、カーマとなってくると、サンスクリット語で、愛とか欲求を意味する。とすると、歌詞が支離滅裂となる。
題名の文字と発音で邦題をつけてしまった、良い例である。
・屈折する星くず
デヴィッド・ボウイによる大名曲である"Ziggy Stardust"の邦題である。
Wikipediaによると、「屈折する星くず」としても知られる。とある。
いやいやいや、ちょっと待て。知らんし。知られてもおらんし。
なんだ?屈折する星くず、って。物理か?
"ジギー・スターダスト"でよかろう。
全く意味が解らない。
歌詞と全く関係ないどころか、もはや、物理的な、アインシュタインの相対性理論の範疇である。
・いとしのレイラ
言わずと知れたデレク&ドミノス、エリック・クラプトンの大傑作である。
愛して止まない、成就しないかも知れない女性への叫びだ。
……「いとしの」っていります?
"レイラ"で良いのでは?
「いとしの」があたまに付くだけで、昭和歌謡や、演歌の香りがしてしまう。
・地獄に堕ちた野郎ども
3大パンクバンドに数えられるイギリスのパンクバンド、ザ・ダムドのファーストアルバムである"Damned Damned Damned"の邦題である。
"Damned”を直訳すると"くそったれ"みたいなニュアンスになる。
その"くそったれ"を3回連呼しただけで、地獄に堕とされ、しかも過去形であり、リリースされた時には既に地獄に堕ちた野郎ども、となり、もはや、この世から抹殺されてしまっている。
・お説教
エアロ・スミスの楽曲"Walk This Way"の邦題だ。
RUN D.M.C.のカバーなど、エアロスミスの代表曲する1曲だ。
直訳すると"この道を進め"だが、歌詞はエロティックで、女の子が男の子の手ほどきをする、みたいな感じで捉えると”こんなふうにして”というニュアンスだだろうか。
で、邦題だが……お説教、である。
いきなり陽気な名ロックから、寺の坊さんの説法が頭をよぎってしまう。
・淫力魔人
イギーポップ率いるイギー&ザ・ストゥージズ
のアルバム"Raw Power"の邦題である。
来ましたね、完全に訴訟ものである。
訳すると”生なる力”となるが、確かにイギー・ポップは過激なパフォーマンスで名を馳せるパンクのアイコンの一人である。
しかし、そもそも、っというか、”淫力魔人”ってなんだ??誰だ?
もはや、漢字による四字熟語がヤンキー並に恐ろしく、言語による暴力沙汰だ。
日本語ですら説明不可能である。もはや、訳者さんの方がパンクで魔人である。
なんだか、エロスやら魔術やら暴力やらが散在した完全なるカオスであり、造語を作ってまでアーティストのイメージ、楽曲を断罪する、実にトンデモ邦題である。
(後記)
相変わらず、実に筆者自身が楽しめる投稿となった。
これは、是非シリーズ化して、どんどん掘り下げていきたいと思う。
読んでくださった方々へ
ありがとうございました!
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