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〜帰ってきたお母さんと、諦めた高校生活。〜

全く帰ってこなかったお母さんが
久しぶりに帰ってきた時
そこには新しい彼氏が居た。

その彼氏に子供いるってバレたくなかったんよ。

と言われた。

私達はやっぱり、邪魔なんだな。
と、悟った。

だけどもお母さんがその彼氏とも
上手くいかなくなっていた頃

学校から帰ると私の部屋にお母さんが
恐怖で手も体も震えて痙攣していて

「助けて!怖い!あの人が帰ってくるの怖い!財布は冷蔵庫に隠したから、言わんといてな!!」

私は最初なにがあったのかも知らなくて
事情を聞いた。その理由はこれだ

お母さんの彼氏は風俗が大好きで
自分の貯金を切り崩しては
風俗に通っていた。だけど貯金が尽きて
お母さんに「風俗行くから金くれ」と
怒鳴りだし、お母さんがお金を出さなかったから、その彼氏はお母さんをボコボコに殴っていたらしい。

そんな人だなんて思ってなかった私は
びっくりした。

お母さんは暴力のせいで
足が麻痺して当分、歩けなかった。

私は中学では勉強もろくにしてなかったし
中学2年にはいってからはずっと
授業なんてうけたことなかった。

学年主任が言った
「髪を染めてるやつは他に悪影響やから教室に入るな。授業も受けるな。」

義務教育とは?ってなったけど
まぁいっかって思って
中学2年からはずっと学校で遊んでた。

ホントしょうもない遊び。
トランプしたり、飽きたら近くのマクド行ったり、保健室でグダグダしたり。

そんな私が進学について考え出したのも
ギリギリで高校に行きたいって思って
髪も黒髪にして真面目に授業を受けて
毎回1桁代だったテストの点数は
全科目80点以上をとれた。

苦手だった数学は90点代。
担任の先生に
「これやったら、あの高校いけるで!」
って先生も喜んでくれてた。

だけど、お母さんは歩けない。
お金を稼ぐことが出来ない。

高校に行きたいのに、この状況で私はそれを言えず

高校に行きたい気持ちをグッと堪えて
弟にはそんな思いして欲しくない。
私が働いて家にお金を入れれば弟は高校にいける。
弟には私と同じ思いはして欲しくない。
そう思い、私はあんなに必死に勉強して死ぬほど行きたかった高校を諦めて、仕事をすることを決めた。

正直、つらかった。
一緒に頑張ってた周りの友達は普通に高校に進学する。

恥ずかしくて言えなかった。

「お金が無いから、高校に行けない。」

だなんて。

担任の先生には
「なんで?絶対いけるのに!なんかあったん?」と何度も何度も言われた。

先生は私の頑張りと、どれだけその高校に行きたかったって気持ちを知ってたから・・・
ずっと聞かれ続けたけど

子供ながらに頑張って精一杯の作り笑顔で

「やっぱりお金ほしいから気が変わったんよな!」

と言った。


先生、あの頃
沢山寄り添って勉強教えてくれたのに
ごめんね。


______続く。

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