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夏の甲子園を勝ち抜く条件とは

夏の甲子園大会の決勝戦が行われ、全日程が終了。今年も球児たちが熱い戦いを展開してくれました。

宮城県の仙台育英が東北勢として初めての優勝。投打ともに高いレベルの素晴らしいチームでした。惜しくも準優勝の下関国際も、準々決勝で春夏連覇を狙った大本命の大阪桐蔭に勝った試合は見事でした。続く準決勝では春の準優勝校の近江を敗り、勢いに乗ったかのように見えましたが、深紅の優勝旗までにはあと一歩届かず。決勝戦に相応しい両校による戦いでした。

いくつかの試合を観ていると、夏の甲子園大会を勝ち抜くためには、どうやら条件があるように思いました。
まずは、決勝戦を戦った二校や大阪桐蔭高校がそうであったように、好投手が複数いること。投球制限が導入されたことはもちろんですが、金属バットの改良もあり打撃力がかなり向上しているので、灼熱の太陽の下、以前の松坂大輔や斎藤佑樹、田中将大投手のように全試合を一人で投げ抜くのはとても難しくなりました。

次に、それらの投手は怖がらずに内角で勝負できること。内角を責めるにはある程度の球速は必要になりますが、配給や球のキレで実際よりも速く感じさせることはできます。外角一辺倒では、ちょっとしたコントロールミスでつかまってしまいます。打撃優位とされる現代だからこそ、大胆に内角を責める投球は必須のようです。

そして、つなぐ野球を大事にすること。一発ホームランは野球の醍醐味でもあり、華やかさもありますが、単打を積み重ねる、その間に盗塁や送りバントをしっかりと決める、決してボール球には手を出さない、それらの基本が身についたチームは相手にとってとても嫌な存在です。「打たれた感じがしないのに、いつの間にか点差が開いて負けてしまった」そう言われることが、好不調の波の少ない、強いチームの証なのだと思います。

以前noteでも触れたことですが、高校野球を観て面白いのは、一球一球が真剣勝負なところ。決勝戦も、点差が開いても最後まで手に汗握る好ゲームでしたが、私がそう強く感じたのは準決勝の仙台育英と光星学院との一戦。準々決勝で私の地元・熊本代表の九州学院に勝った光星学院(写真:熊本日日新聞8月19日朝刊より)は、準決勝で優勝した仙台育英に18対4という大差で敗れています。最終回の攻防を観たのですが、得点上は大差でしたが、両チームともに巧打やファインプレーが続出。とても点差ほどの実力差があるとは思えませんでした。力の差は紙一重であっても、点差が開くこともある。それでも選手たちは最後まで諦めず、手を抜くこともない。それが高校野球であり、観客に感動を与える最大の理由なのだと感じました。

【だから高校野球は面白い】
https://note.com/s_kohyama/n/n0c88891093b8

夏の甲子園も終わり、少しは秋らしく……と言いたいところですが、今日も茹だるような暑さ。まだしばらくは続きそうです。高校球児たちのように、炎天下でも元気に走り回れればいいのですが、しばらくは熱中症対策に万全を期して過ごしたいと思います。

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