復帰戦はほろ苦いDO NOT FINISH

9ヶ月ぶりの夫の復帰戦はロードクラシック群馬だった。

当日は、4月下旬だというのにまさかの吹雪
待ち時間に凍えてしまう。

結果は、無念のDO NOT FINISH

途中で足切りとなった。

私は息子と家で過ごしていたのでレースの内容を見てはいないが、苦手な登り、悪天候(雪!)、半年以上のブランクがある中で結果を出すのは厳しかったようだ。

ただ、夫の話は興味深かった。

脳にレースの強度をインプットするにはレースに出るしかない
・家族ができたぶん、守りに入るようになった。守りに入っても勝てるぐらい強くなるしかない

レースに出なければわからないこと

完走はできなかったものの、レースに出たことに意味があるよね、と私は夫を慰めた。

その時返ってきたのが「レースの強度を脳にインプットするにはレースに出るしかないからね」という言葉。

目指す高みがどのくらいか、どのくらいの速さについていけないと勝てないのか、何が原因で足切りにあうのか、いい順位が取れないのはなぜか、どんな中で戦わなければならないのか。
本当のところを脳に叩き込むには、戦場に出るしかない。

それがある程度体感できれば、日々の練習にもフィードバックできるのだろう。

言い古されたことではあるけれど、「体験して現実と理想のギャップを脳にインプット」というあたりになるほどと思った。

厳しい現実すら糧になるほど、まっすぐに好きなのだな。

家族ができて変わったこと

自転車レースはそこそこ危険で、落車に巻き込まれれば、最悪、命にかかわることもある。

夫もこれまで2回救急搬送され、全身擦過傷まみれで日常生活に苦しんだ時期もあった。

幸い夫の怪我は時間の経過とともに回復したが、夫の自転車仲間では、落車で生死の間をさまよったのち、障害が残った人もいる。

ひどい落車の後、レースに出るのが怖くならないか、と思わず聞いたことがある。

怖くないことはないが、出ないとレースに出れないから

そんなことをいっていた気がする。

そんな夫が今回、「やっぱり家族ができると無理できないなって守りに入ってしまうから、圧倒的に強くなるしかない」と言ったのでびっくりした。

守りに、入る!?貴方が!????

と思ったがふーんとクールに聞いてるフリをしておいた。

夫のような好きにまっしぐらで恐れ知らずの趣味人でも、家族ができると、というか子どもができると守りに入るものらしい。

そんな夫の変化に驚いた。

ただ、「だから守りに入っても勝てるくらい強くなるしかない」と結論づけるあたり流石だなぁと思う。

自分にないものをもっている夫が面白い

私は、あまり勝負ごとに真剣になれないたちだ。

運動については、そもそも体を動かすことが嫌いだし、苦手意識も強い。そのうえ、「何がなんでも相手に勝ちたい」という思いが欠落している。

競技には向いていないのだと思う。

だからロードバイクの世界で、「1位以下は全部同じ(無価値)」と言いながら情熱を持って取り組んでいる姿が、共感はできないけど刺激になって、なんだか面白いのだ。

今は自分のブランクも、それによる衰えも冷静に受け止めながら長い目でみて動いているが、その下にものすごい情熱と勝ちへの意欲があることを知っている。

理由なんてないのかもしれないけれど。

そういやあ夫は何を目指しているんだろうなぁ。
今度、聞いてみよう。

#エッセイ #自転車 #ロードバイク #旦那さまは自転車乗り #夫婦 #サラリーマン #実業団 #実業団レーサー #旦那さまは自転車のり #ロードクラシック群馬 #DNF

ここから先は

0字

¥ 140

サポートいただけるととても嬉しいです!よろしくお願いいたします。