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いつのまにか「子育てする腕」だった

35℃を超える酷暑の天気予報を見て久しぶりに日傘を出したが、どうも以前ほどには日差しを遮ってくれない。

調べると、日傘の寿命は2~3年。

手元にあるのを買ったのは就職して数年後くらいだった気がするから、下手したら10年選手だ。

そりゃ経年劣化というやつだろう。

ふと、最後に差したのはいつだったかと考える。
思い出せない。
産後は使っていなかったかも。

となると、ここ4年近く使っていないことになる。

えっ、ちょっともったいないな。
もっと使っておけばよかった。
それなりに気にいってたのに、と思いながら、産後の4年のあっという間具合にびっくりする。

振り返ると、赤ちゃん時代は抱っこ紐で子を抱え、子ども用の荷物も思いのほかあり、そのうえ余計な物を持つ余裕などなかった。
そのあとはベビーカーを押すのに両手を使っていたし、自分で歩くようになってからは子の手を握り、
頻繁に抱っこをせがまれ
走るようになってからは追いかけるのに精一杯。

私の両手は既に私だけのものではなく、
半分くらい、子どものための腕だった。
いつの間にか「子育てする腕」になっていたのだ。

そう考えると、貴重な2本の腕のうち1本を日傘を差すのに使えるというのは、とても優雅なことかもしれない。

そう思いながら、昼休み、コンビニまで歩く。
足元からむわっとするほど暑い。

保育園に迎えに行けば、飛び込んでくるかわいい子を抱きしめ、なんとか手をつないで歩き、最終的には走り出すのを必死で追いかけ、気が済むまで走ったら「抱っこ」とか言い出すのを、こちとら暑い中マクスして走って汗はだくだく息も絶え絶えなのでえ~と言いながらも結局抱きかかえるこの腕。

自由に使えるようになってきたのは、嬉しくもあり、さみしくもある。

などど考えながらも早速新しい日傘を注文、届いた品はレースがかわいくてテンション上がった。

これまで荷物が重くなるのであまり持ち歩かなかった日傘。白髪の出現に老いを感じ始めたのでこれからはもう少しマメに使おう。

たかが日傘を差すことをこんなに勿体ぶれる「今のうち」を味わいながらね。

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