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産む前に読んでいればよかった……『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』


まわりにメンタル不調で休職する方が増えたな、と感じる今日この頃。

30代は仕事の責任が重くなったり、結婚妊娠出産子育てとプライベートでも環境の変化が大きかったり、体力が衰えてきたり、病気がみつかったり、なにかと負荷の増える時期なのでしょう。

私もワーママ生活をかろうじて生きながらえてきました。

で、今回手に取ったのがこの本。


自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』などを読んだことがあった元自衛隊メンタルヘルス教官の下園 壮太さんの本です。

「現在の子育て環境のリスクは戦場並み」

と語る著者が、そんな戦場にいる親御さんが少しでも楽になるようと記したのが本書です。

子育て環境という戦場に無防備に突っ込んでいく方が多いので、台風が来たら備えるように、心の動きや休み方などを知って心の予防接種をして、うまく乗り越えていけるよう備えよう!という本になります。

さて、読み終わりまして、子ども産む前に読んでおきたかったなというのが正直な感想です。

まさに予防接種なしに飛び込んでしまったよ……およよ……。

『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』目次
1 悩みがなくならないのはなぜ?―基本のメカニズム
2 そもそも子育て環境が無理ゲー!?―戦況分析
3 自分の戦力をチェックしよう―戦力分析
4 子育て戦場での戦い方―実践編
5 子育て情報うつにならないために
Q&A お悩みワーママへの処方箋

本書によれば、「期待値を上げすぎてしまう」のが自信を失うことにつながるそうで、つい「みんなやってるから何とかなるだろう」と考えてギャップに落ち込んだり、子育て環境が変化しているなか、自分の親世代と比べてしまうと自然と無理がでてくるなど、なるほどなぁと思いました。

私もかつては「子を虐待するとかありえない」と思っていましたが今では紙一重だなとぞっとします。生き物を産み育てることを甘くみていたかもしれません。
また、しょっちゅう「母は学校から帰ったら家にいて話を聞いてくれたのに」とか「ちゃんと料理作ってくれてたのに……」と思ってしまいますが、専業主婦と共働きじゃ単純比較できないですしね。

ならば自信を失ったりエネルギーを消耗しないために、事前に何がどう現代の子育ては過酷なのか、子育て中に自分がどういう事態になりうるのか、どんな感情が沸いてくるのか、とりうる対策がわかっていたら、確かにもう少し楽に過ごせたかも、と思います。

そういう意味では、本書は子育て中の方、これから子育てを始める予定の方にとって有用です。

私は、

・自分自身のケアとどう向き合うか
・子育て情報とどう付き合うか
・目標の立て方(”怒らない”は現実的ではない)

といったあたりが参考になりました。

特に

(「何もかも中途半端」というのは)すべてを完全にやろうとせず、かといって切り捨てもせず、なんとかバランスをとりながら善戦している結果だと考えてください

(P.129)

という言葉は泣けましたし、

親御さんは、自分の中の「○○するべき」に早めに気づき、よく検証することです。
お子さんを時代遅れの価値観で染めてしまわないように、なるべく「無色」でいて、おおらかに接していくことが、この後10年はものすごく大切になっていきます。

(P.209)

という言葉も確かになぁと思いました。

また、長らくマミートラックに悩んできたのですが、それももしかしたら「自責スイッチ」が入って「エネルギー」を消耗し、「警戒」しまくって更にイライラしていたのかも、とはっとしました。


本書を読むととにかく休むことが大切!疲労を甘く見てはいけない!ことがわかりますので、これからワーママ・ワーパパになる方や現在子育て真っ最中の方、特に休んだり手を抜いたりするのが苦手で人から隙が無いといわれたりする方におすすめです。

実際子育てをしていると、もうしっちゃかめっちゃで脳内がわーーーっとなって大混乱することもしばしばですが、優先順位がわからなくなった時も、本書の知識が頭の片隅に残っていれば冷静な対応を取れるかもしれません。
そんなお守りみたいな本です。

タイトルは「ワーママ」ですが男性にもおすすめです。自分を守るためにも、パートナーを守るためにもぜひ!

ストレスの多い世の中ですが、なんとか生きながらえていきましょう。

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