産後うつ、夫ができること

同僚が、奥さんが産後うつ気味なのを心配していた。

私も振り返ると散々だった。今でもよく生きているな自分と思う。えらい。

散々だったので、とっさにあまりアドバイスが浮かばなかった。改めて、産後うつっぽい奥さんに、旦那さんが出来ることを考えてみよう。

あくまで個人の感想なので、本当にヤバかったら地域の相談窓口に電話し、引きずってでも病院に連れて行って欲しい。

■睡眠時間をプレゼント

まず一番しんどいのが睡眠時間がないこと。

出産という大事業を終えて肉体はボロボロ、ホルモンバランスもメタメタなのに寝れないとはどう考えても仕組みがバグってるとしか思えない。

なんなんだろこれ。

その上母乳を絞り出している。母乳の原材料は血液だそうなので、貧血必至。

ころすきか。

同僚は育休を取っていないので、里帰りを終えた奥さんは日中ひとりで赤ちゃんと向かい合わなければならない。平日は、仕事のある夫に気を使って、夜間授乳を1人で行っているかもしれない。
それはとてもしんどい。

せめて休日は、まとまった時間眠れるように、夜間授乳を交代するとかして欲しい。
人間、寝ないと心も肉体も病む。

コロナだと祖父母に行き来を頼みにくいのがつらい。
できれば育休とってくれ。

■ひとりの時間をプレゼント

睡眠時間もないがひとりの時間もない。

好きなことをする時間はないだろう。
多分睡眠時間優先だが、趣味に浸ったり、ぼんやり出来る時間を作ってあげて欲しい。

まだ月齢が小さいとコロナもあって外出しにくいかもしれないが、できれば物理的に赤子と距離を置いて、家の中で奥さんがひとりになるとか、奥さんがひとりで外出するとか、そういう時間を作ってあげて欲しい。

もちろん、体の回復具合にあわせてね。

■言葉で褒めてねぎらって

これは本当に私の場合だけかもしれないが、言葉で褒めてねぎらって欲しい。

特に「大丈夫」と言って欲しい。

何もわからない第一子の子育ては、とにかく不安でこわい。目の前のふにゃふにゃで小さくて言葉も通じない危うい存在の、生命の全責任を自分が負っているように感じて、とても重い。

必死で本を読み、ネット検索し、知識を得て、それでもちょっとしたいつもと違う反応で不安になり、肉体的に既に疲弊しているのに、精神も削られる。

だからとにかく「大丈夫」と言ってほしい。

「よくがんばってるね、大丈夫だよ」
「大丈夫、ちゃんと今日も過ごせてるよ」
「大丈夫、子育てできてるよ」

そしてねぎらって褒めてほしい。

「今日も様子見ててくれてありがとう」
「一日、ふたりが無事でよかった」

産後の母の多くは、話し相手もおらず、部屋の中で子どもとふたりっきり。
赤ちゃんはまだ喋れないし、自分の行動に対するフィードバックがほとんどない。

ただでさえ手探りな中で、確かなフィードバックもないので、これで良いのかと永遠に不安になる。

どうか安心できる言葉をかけてあげてほしい。

■ぶつかってチューニングしていく

私と同僚の奥さんは違うから、何が刺さるかは本当にはわからない。

できれば奥さんに何をしてほしいか聞いてほしいけれど、素直に答えてくれるとは限らず、「そんなこと聞いてくるんじゃねえ!」とキレられる可能性もあるのでなかなか難しい。

真面目な方だと、働いている旦那さんに迷惑をかけまいと、弱音を吐けなかったり、要求を伝えられなかったりすることもあるだろう。

夫婦円満でいつも仲良くいたいのは誰だって同じ。けれども、初めての子育てという状況下では、夫婦どちらも揺らいで不安定になるのは当たり前。

時にはぶつかり合い、すれ違い合いながら、お互いのためになることは何か、相手のためにできることは何か、その時々でチューニングしていくほかはない。

その努力と、労力と、相手への関心を失わないことが、一番大事なことかもしれない。


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