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少子化対策なら、金と時間と未来への希望がほしい

第二子どうする問題

「まじめにやれば第二子は無理なんですよ」

と年始早々同僚男性から殺伐とした言葉が登場した。

人手不足で仕事がまわらない、というところから始まってぽつりと出てきたこの言葉。

同僚(といっても年上で管理職です)は2人目をどうするか、家事育児を分担しつつ、旧態依然とした組織の中でいかに責任を果たしていくか悩んでいるようです。

彼がお迎えか何かで早退するたびに肩身狭そうにしているのを見ています。フレックスタイム制もなく、リモート勤務も所属長の判断でできたりできなかったりする弊社(彼の部署はなぜか不可)。

仕事は楽しいけれど、人手不足で負担はどんどん増えていく。もう1人子ども欲しいけど、無理そう、と思いつつまだ割り切れてはいないご様子。

ちなみに2人目問題について我が家は早々に「もう産まない」と私が決めてしまいました。

経済的、体力的に厳しいのと、マミートラックに陥って、もうこういう目には遭いたくないと思ったからです。

子ども自体は可愛くて、もう1人2人いてもいいなと思ったことはあります。でも我が家は共働きじゃないと夫婦2人が暮らすのも厳しい状態。これ以上子育てにリソースを割いてどちらかが働けなくなったら詰んでしまいます。

子育てと稼ぐ力はトレードオフになりがちです。
時短勤務を選択すると収入は減りますし、残業もあまりできない。昇進昇給が止まったり、部署を飛ばされるのも経験しました。今後のキャリアにも響きます。じゃあフルタイムで働けばいいのでは、といっても体力的にかなり大変です。

自分の稼ぐ力をこれ以上減らすのは経済的に厳しい。

普通に無理だなと判断しました。

なんで子育てが難しくなっちゃったの?

ところで、「なんでこんなに子育ての愚痴が溢れるようになったんだろう」という疑問が産前からありました。

道具は便利になり、家電は進化し、どちらかというと楽になっているはずです。子どもが昔に比べて急激に育てにくく変化しているなんてことはないでしょう。そこで出産後、子供を3人育てた母に聞いてみたことがあるんですね。

SNSの発達、核家族化、医療技術の進化により昔なら亡くなってた子も生きられるようになったこと、普通のレベルの上昇など様々な影響が考えられましたが、致命的に私たちの世代と違うなと感じたのは「未来は良くなると当たり前に思っていた」「特に将来に不安はなかった」という言葉です。

妄想力逞しい方だと思っていましたが、この感覚、私にはさっぱりわかりません。
ひと世代違うだけでこんなにも違うのかと驚きます。

私は今30代半ばなので、失われた30年を生きてきました。

お給料が上がり続けるとも思えないし(実際なんと下がっています)、未来が明るいとも思えません。

勉強し続けなきゃ、スキルをつけなきゃ、転職も考えないと、と焦ります。

年金も社会保障も減っていくことでしょう。
「老後は早めに死にたい」という知人もいます。

普通に働けば年収400万は当たり前と思っていましたが、今や世帯年収400万円以下が53.6%とのこと。

2021年度の日本での平均年収は約443.3万円でしたが、平均年収400万円以下の世帯は全体の53.6%と過半数を占めており、年収が300万円台であることは一般的であるといえます。

なかなか厳しいなぁと思います。 

金と時間と希望が欲しいです

政府は異次元の少子化対策に取り組むそうですが、既に出産可能な年代の女性が減っているので手遅れではないかと思います。

それでも"今"が一番マシな状態だからと取り組むのであれば、細々した支援よりも、もっと大きな目で見た経済支援、働きながら子育てできる環境の構築を考えて欲しいです。

個人的には、子どもの医療費がかからなかったり、保育園幼稚園の無償化などにはとても助かっています。それでもこれ以上産まないのは、やっぱり、経済的な問題が大きいと思います。

日本は昔から一番の問題に目をつぶりがちな気がするんですよね。
教員不足は労働環境の悪さが主な原因なのに、応募要件を緩和したりとか。

結婚しない、少子化についてはずっと若者にお金がない、非正規雇用で収入が上がらない、といった声があったのに無視されてきました。

冒頭の同僚や私がどうしたら第二子を産み育てるのか。

あるいは経済的に豊かなクラスの人がもっと産むにはどうしたらいいのか。

一番効果が高そうなマジョリティの声はどうなのか。

ぜひ当事者の声を聞いて取り組んで欲しい。

私は金と時間(残業撲滅)と未来への希望(は難しそうだからせめてキャリア断絶への不安が少ない社会)が欲しいです。

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