防犯カメラは必要か
みなさんのマンションには、防犯カメラは設置されていますか?
どこに設置されていて、どのように映っているのか把握していますか?
そもそも、防犯カメラ必要ですか?
そんな疑問を持ったことさえありませんか?
わたしの経験では、防犯カメラの設置位置は、建物の出入り口と駐輪場、駐車場、エレベーター前が一般的だった。
当然、マンションすべてを死角なく網羅しているわけではない。
犯罪者はカメラの死角を狙って侵入するだろうし、そもそもカメラの存在をお構いなしの場合もある。
防犯カメラの設置によって、安全や安心が担保される訳ではないのだ。
では、どんな時に防犯カメラは頼りになるのか?
私が一番よく画像確認依頼されたのは、駐輪場の自転車に対するいたずらだった。
録画した画像は管理組合の物であり、必要に応じ理事が確認することになる。(理事会から委任され、管理会社が画像確認を行う場合もある。)
ところが、画像確認対象の日時をピンポイントで特定できることは殆どない。
1週間分の画像を倍速なしに再生した場合、一睡もせず1週間かかる。4倍速で再生したら42時間、12倍速なら14時間かかる。
見れっこない。
12倍速以上で見ると、一瞬人が通り過ぎるだけでほとんど何をしているか確認できない。
要するに日時が特定されない行為の確認は不可能に近く、日時がおおよそわかっている場合でも、確認には相当の時間と労力が必要である。さらに、安易に録画を確認することは住民のプライバシー侵害の問題もはらんでいる。
しかし、警察から捜査のための画像確認依頼があれば話は別だろう。
この場合、録画確認の数々の困難(誰が確認するか、確認に関わる時間と労力、住民のプライバシーなど)を乗り越えて、録画は再生される。
結局、防犯カメラというものが活躍する場面はかなり限定されていると言える。
この活躍場面があまり見当たらない防犯カメラに、実は多額の維持費が掛かっていることを、マンションの所有者さんには意識してほしい。
台数によるが、レンタルやリースでも5年程度で200万円、買取でも150万円程度かかっている場合が多い。大きなマンションで設置台数が多ければ、費用はもっと高額になっているだろう。
それでなくとも、マンションの維持管理にコストはかさんでいく。できるだけ無駄を省きコスト削減を進めるためには、
「防犯カメラはそもそも必要か」という問いを話し合う必要があるだろう。
★☆<別記事>リモコンで操作するゲートもマンションの金食い虫!☆★
防犯カメラの更新時期の理事会で役員となった所有者さんは、設置数が適切か検討し、防犯カメラの数を見直すことをお勧めする。
技術を駆使して守れば守るだけ、コストは増大する。
どの程度の安心が必要か、今までどれぐらい防犯カメラが有効に機能してきたかを検証することは、マンションのコストに対する意識改革のいい機会になるだろう。
併せて読んでほしい マンション設備の維持管理コラム