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パラサイトを観て映画の宣伝の在り方を考える

「見なけりゃよかった」
それが見終わった後の最初の感想。

作品の質の問題では決してない。
そして決してつまらなかったからでもない。
単純に自分が好きなタイプの作品ではなく「今日、これ観て良かったね」と思える作品ではなかったから。

あれ……? じゃ、そもそもなんでこの作品を観に行こうと思ったんだ?
最初はテレビだったか。パルムドールを獲得し、アカデミー賞作品賞に初めてノミネートされたアジアの作品。
ふむ、そりゃすごいね。どんな映画なんだろう?と思うのは至極当然。
すると「ネタバレできないんですけどねー」
なんだ、そりゃ随分気になるではないか。

パンフを買うと
「ポン・ジュノ監督からのお願い」なる1ページのメッセージが掲載されている。
テレビやネットなどで「監督からのお願いだから〜ネタバレしないですが」ってみんなが口を揃えて言っていたのはコレか。

ちなみにここのnoteも監督からのお願いだからネタバレはしない(笑)

思い返すと、完全にこの宣伝方法の術中にはまっていたのではないだろうか?
それは作品全てを見終わって、初めてそう思った。
だって、そのポン・ジュノ監督のメッセージ自体がまるでトリックみたいだもの。
「みなさんの思いやりのあるネタバレ回避は、これから本作を観る観客と、この映画を作ったチーム一同にとっての素晴らしい贈り物となります」
この文章自体、一見観終わったお客さんに向けて放っているように見えて、実はこれから観ようとしている人や、気になっている人たちへのメッセージじゃないだろうか。
この「お願い」から様々に惹起する作品のイメージはどうだろうか?
もちろん人によって違うだろうが、少なくとも自分は観終わってからこのメッセージをもう一度読み直して「してやられた」と思った。

映画自体にパワーがなければもちろん成し得ないのかもしれないが、興行的に成功するもしないも映画会社の宣伝方法一つだなぁと思ったのだった。

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